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All my treasures⑤~Secret?~

1歳半になったエスト。
よちよちと歩いていた足取りも段々と力強くなり、短い距離なら走れるようになってきた。

ある日、トニーとペッパーはエストを連れて家の近くの公園へやってきた。
トニーがエストと滑り台やブランコで遊んでいるのをペッパーはベンチに座り、うれしそうに見つめていた。
トニーも変わったわね…。昔の彼からは想像もできないわ。トニーは男の子を欲しがってる。前に自分が父親にしてもらえなかったことや教えてもらえなかったことを伝えたいと言っていた。早く赤ちゃんできないかしら…。ペッパーがお腹を押さえて物思いにふけっていると、
「どうした、ペッパー?」
と、トニーがエストを抱いてやって来た。
「何でもないわ。あら?もうおしまい?」
慌てて笑顔を作ったペッパーにエストは手を伸ばし
「ままー」
と、抱っこをせがんだ。
「エストがジュースがいるって言い出してな。そこに売ってるから買ってくるよ」
ペッパーにエストを渡すと、トニーは公園の外にある露店に向かった。

「おりゆー!」
ペッパーの膝の上から降りたエストは、ちょこちょこと周りを歩き出した。
「エスト、危ないから駄目よ」
「あい」
トニーに似て返事だけはいいのよね…。ペッパーが立ち上がりエストのそばへ行こうとした時、エストの足がもつれ、転んでしまった。
「エスト!」
慌てて駆け寄ったペッパーだが、一足先に近くにいた若い男性が転んだエストを抱き起こした。
「大丈夫かい?」
涙がこぼれそうになった目をエストは擦ると、自分を起こしてくれた男性に向かって微笑んだ。
「ありあとー」
にっこり笑ったエストの顏…それはトニーにそっくりなのだが…をじっと見つめていた男性は、その笑顔を見て顔色を変えた。

「ありがとうございます」
ペッパーが声を掛けても、エストの肩を掴み離そうとしない男性。
「あ、あの…」
再度声を掛けられ、我に返った男性の様子を不審に思ったペッパーは、エストを奪うように抱きしめた。
「ありがとうございました」
お礼を言い、その場を立ち去ろうとしたペッパーに男性が声を掛けた。

「あの…失礼ですが…。もしかして、トニー・スターク氏の奥様と娘さんですか?」
トニーの名前を言われ、思わず振り返ったペッパー。
「え?えぇ…そうですけど…」
見ると、先ほどまでにこやかに笑っていた男性の顔はこわばっている。

やだ…何?トニー…早く戻ってきて…。
ペッパーはエストを抱きしめ後ずさりした。

「どうかしたか?」
そこへ飲み物を買ったトニーが戻ってきた。
「ぱぱー!」
キャーっと嬉しそうに声をあげた娘に微笑むと、トニーはペッパーを守るように男性との間に身体を入れた。
「失礼だが、妻と娘に何か用か?」
突然現れたトニー、男性は憎々しげにトニーを睨むと
「妻と娘?俺たちのことを捨てたくせに…!幸せそうだな、トニー・スターク…」
全くもって身に覚えのないトニー。
妻と娘を守るべく、一刻も早く立ち去った方がよさそうだ…。
そう感じたトニーは、ペッパーの手を取ると
「おい、ペッパー、帰るぞ…」
と、帰ろうとした。

すると男性は、その背中に向かって叫んだ。
「待てよ!俺はあんたに用があるんだ!俺は…お前の息子だよ!」

「え?」

トニーの息子?
どう言うこと?
そんなこと聞いてないわ…。

ショックのあまりその場に座り込んでしまったペッパーは、同じく顔を青くしているトニーと顔を見合わせた。

***
まさか公園で修羅場を繰り広げるわけにはいかず、自宅はどうかと思った二人は、その男性を会社へと連れていった。
念のためボディーガードにとハッピーを呼び、会議室で男性と向かい合うトニー。
20歳くらいだろうか。顔をじっと見つめるも、自分には似ておらず、面影から記憶の中の女性を探すも、思い当たる節はない。

「説明してもらおうか…。申し訳ないが、私には…」
記憶にない…とはっきり言うのは気が引けたトニーは言葉を濁した。
膝の上でぎゅっと拳を握ると、隣に座っているペッパーが、大丈夫よ…と言うようにそっと手を握ってきた。

「俺は…アイデン。サラ・バーンズの息子だ。覚えてるか?母を。母はとあるパーティーでお前と出会ったと言っていた。そしてその晩お前に抱かれたと。たった一晩の行為だったが、あの偉大なトニー・スタークに抱かれて俺ができたと今でも言っている。母は俺を身ごもった後、今の親父と結婚して、幸せに暮らしている。だが、事あるごとに『あのトニー・スタークの子供なのよ!』と言われる俺の身にもなってくれ!だから一度顔を拝んでやろうと思ってきてみたんだ。そしたら、何だ?俺はあんたと比べられて母親に小言を言われるばかりなのに、お前は幸せそうな顔をしてやがる…」

肩を震わせうつむいた青年にトニーは何も言えなかった。
自分の手を握っていたペッパーの手に力が入った。
見るとペッパーは顔を伏せて泣いていた。

まさか…ペッパーと出会う前のこととはいえ、昔の自分の行いがこんな形で最愛の妻を苦しめることになるなんて…。
ペッパーよりも青い顔をしたトニーは苦しそうに頭を抱えた。
本当に自分の子供なら、責任は取らねばならないだろう…。

だが…冷静になってみろ…。ペッパーと以外は一度も…。

「ぱぱ?」
足元にぬくもりを感じたトニーが目を開けると、心配そうな顔をしたエストが足元にしがみついていた。

ここはハッキリさせなければ…どんな結果になるにしろ…それがペッパーをさらに傷つける結果になるにしろ…。
トニーはエストを抱き上げると、青年の目をまっすぐに見つめた。

「疑ってすまないが…。本当に私の息子なのか?いや、君の母親とは一度そういう関係になったかもしれない…。すまないが、正直に言わせてもらうと…20年も前の話だ。覚えていないんだ。…あまりこういうことをハッキリとは言いたくないんだが…昔から私は女性を抱くときはきちんと…その…避妊してた。してなかったのは、ここにいる妻とするときだけだ。だから、君が私の息子だと言われても、すぐには認めることはできない。だからハッキリさせよう。きちんと検査しよう。それでもし、君が私の息子なら、今更遅いかもしれないが、父親としてすべきことをきちんとしようと思う。だが、そうでなかったら…」
「トニー…もういいわ…」
トニーのあまりにハッキリとした物言いに若干顔を赤らめたペッパーが恥ずかしそうに手を握った。
「いや!こういうことはきちんとしておこう。いいだろ、バーンズくんも」
「あぁ…」
トニーの迫力におされた青年は頷いた。

検査結果が出るまでの間、トニーとペッパーはエストを連れて社長室へと向かった。
おもちゃで遊ぶエストを見つめながら、ソファーに座ったペッパーをトニーは抱きしめた。
「すまない、ペッパー…。私の昔の行いのせいで、君をこんなに苦しめるなんて…。本当にすまない…。だが、信じてくれ。君と出会ってから、私が心から愛しているのは君だけだ。今は昔の自分の馬鹿な行為を後悔してる…」
「トニー…謝らないで…。あなたが私のことを愛してくれているのは分かってるわ。それに、昔のあなたと今のあなたは違うのよ。昔のことは昔のこと。それにね、こんなこと恐れてたら、あなたの妻なんてやってられないわ」
クスっと笑ったペッパーはトニーにやさしくキスをした。
「愛してるよ…ペッパー」
「私も…」
甘い空気が漂い始めた部屋に、ハッピーが飛び込んできた。
「ボス!結果がでました」

結果は…
青年とトニーは親子ではなかった。

会議室へ戻り結果を伝えると、青年はすっきりした顔でトニーに言った。
「母は…俺にあんたみたいになって欲しくて、あんたが父親だと言い続けたのかも…。ありがとう。おかげですっきりした。あんたは父親じゃないが、俺もあんたみたいに堂々と生きていくことにするよ」
そういうと青年は振り返らずに帰って行った。

「なんだか大変な一日だったわね…」
ハッピーの運転する車で家へと向かう三人。
小さいなりに何か感じ取っていたのだろう。昼寝もせず一日中起きていたエストは、ペッパーの腕の中ですっかり夢の中。
むにゃむにゃと寝言を言うエストの頬を撫でながら、トニーはつぶやいた。
「ペッパー…君が私の妻でよかった」
「あら?今さら気付いたの?」
茶化すように言うペッパーの唇を
「黙れ」
とトニーは照れ臭そうに塞いだ。

家へ着き眠るエストをそっとベッドに寝かすと、ペッパーは寝室へと向かった。
「トニー!」
ペッパーはベッドにダイブすると、横になっていたトニーの上に乗った。
「な、何だ?!」
驚きつつもペッパーを抱きしめ顔中にキスをするトニーにペッパーはギュッと抱き着いた。
「ねぇ、トニー。早くアンソニーJr.に会いたくない?」
「え?!」
いつになく積極的なペッパーにドキドキするトニー。
「君にそっくりな男の子か?」
「そうよ…私は早く会いたいわ…」
「そうだな…では、今日からまた頑張らないと…」
トニーはペッパーを優しく抱くと、ペッパーの身体に溺れていった。

***
隠し子の一人や二人いそうな感じもしないでもないですが…汗

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All my treasures④~Love Love Love♥~(R-18)

エストも1歳を過ぎ、そろそろ二人目を…と、この数ヶ月頑張っている二人だが、物事はそう都合よく進まない。

「よし、先月はダメだったから…今月も頑張るぞ!」
「トニー…恥ずかしいから大きな声で言わないで…」
「?!わ、私は早く君にそっくりな男の子が欲しいんだ!」
「それは…私も一緒よ…」

毎晩毎晩励んでいる二人だが、なかなかいい知らせはやってこない。
「私の愛し方が足りないのか?」
ペッパーに腰を打ち付けながら真剣に悩むトニーだが
「ぅん…ッあ…あ、ああん…と、トニー…あなたの…愛は…ん…十分よ…ああっ!!」
ペッパーは息も絶え絶えに答えた。

愛が足りないなんてとんでもない!
毎晩足腰が立たなくなるまで何度も愛されているのに…。
私より年上なのに…トニーは何でこんなに元気なのよ?!
これ以上愛されたら、私の身体が持たないわ!?
お願いだから…早く…。

ペッパーがそんなことを考えていると、トニーがギュっと腰を押し付け、一気に快楽の波が押し寄せた。
「やぁん!!あぁぁーー!!!」
ペッパーが身体を弓なりにそらし達すると、ペッパーの奥深くに精を吐き出したトニーもペッパーの上に崩れ落ちた。

「どうだ?」
荒い息をしながらペッパーを抱きしめキスをするトニーに、ペッパーはうっとりした表情で微笑んだ。
「いつも通り最高よ…」
抱き合ったそのままの状態で眠りにつこうとした二人の耳に今宵もジャービスの声が入ってきた。
『トニー様、ペッパー様…エスト様が…』
「「え?!」」

毎晩こうだ。
二人の行為が終わった頃合いを見計らって、必ず起きる娘。
小さいながら空気を読みまくるその行動に、トニーもペッパーも目を白黒させた。
「いつもながらタイミングは完璧だな…」
ペッパーの中から抜け出したトニーが苦笑しながらベッドにひっくり返ると、ペッパーは床に落ちていた服を手早く身に着け
「もう…そんなところまであなたにそっくりなんだから…」
とため息をつきながらエストの部屋に向かった。

***
子供部屋には監視システム付きなので、何かあればジャーヴィスが知らせてくれますww

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All my treasures③~Birthday~

初めての誕生日ということもあり、盛大なパーティーでカワイイ娘を見せびらかせたいトニーと、家族だけで祝いたいペッパー。

「だから、そんなに盛大にしなくていいの!どうせあなた目当ての女性だらけになるわよ!」
「そんなの放っておけ。私は君しか目に入らないから。せっかくの機会なんだ。カワイイ娘をお披露目しようじゃないか?」
「(私しかって…さりげなく言ってくれて嬉しいけど)。でも、こんなに小さいうちから人目にさらさなくてもいいわ。私はこの子を普通に育てたいの!」
「それは私も一緒だ!」

(どうやらパパとママはあたしのことでケンカしてるみたい…)
幼いながらトニーに似て頭のいいエストは、両親の間の不穏な空気を読み取り、二人の顔を交互に見つめた。
(やだ、このままじゃパパとママは…。よし、ここはあたしが…)
と思ったかどうかは不明だが、エストの大きな目にみるみるうちに涙が溜まり、とうとう大きな声で泣き出した。

「うえ~ん!!!!!」

突然泣き出したエストにトニーとペッパーは大慌て。
「あら?エスト?どうしたの?」
「エスト、パパとママはケンカしてたんじゃないから大丈夫だよ…」
その言葉にピタっと泣き止むエスト。
泣き止んでよかったと胸をなでおろした両親を見たエストは、トニーがよくするようにニヤリと笑ったが、幸いなことに二人は気付いていなかった。

結局エストの誕生日はささやかながら友人を呼んでパーティーを開くことになったのだった。

そして誕生日当日の朝。
つい1時間ほど前までトニーに愛されていたペッパーは、ぐっすり眠っているトニーを起こさないようにベッドから抜け出し、エストの部屋に向かった。
いつもは起きると一人でお喋りして遊んでいるエストだが、この日はペッパーが部屋を覗いても静かだった。
「エスト、おはよう…?!エスト!」
小さな娘は真っ赤な顔をして寝ているではないか。額に手を当てると熱もある。
「大変!ジャーヴィス!トニーを起こして!」
今まで風邪ひとつひかず元気だったエストの初めての発熱。
体温計で熱を測ると39.0度。
そこへ、トニーが慌てて部屋へ転がり込んできた。
「ぺ、ペッパー!!エストは…大丈夫か?!」
「トニー!大変!熱があるの…」
「と、とにかく、医者を呼ぼう…」
トニーはかかりつけの医師に電話をかけ、すぐに来るよう頼んだ。

ペッパーが赤い顔をして眠る娘の額を濡れたタオルで冷やしていると、エストが目をこすりながら目を覚ました。
「エスト!トニー、起きたわよ」
ペッパーに呼ばれたトニーがベッドを覗き込むと、エストはニコニコしながら嬉しそうに
「ぱぁぱー。まぁまー」
と手足をばたつかせた。
「おい、熱があるのに元気だな」
「そ、そうね…」
初めての経験でよく分からない二人。
ペッパーがエストを抱き上げると、
「あーう、まんまー!まんまー!」
と朝ごはんを要求し始めた。

キッチンへ連れて行き、朝ごはんを食べさせると、朝から食欲旺盛な娘はお代わりを要求するほどよく食べる。
「朝からよく食うな…」
先ほどまでペッパーとの愛の行為を頑張っていたトニーは、さすがに寝不足。新聞を読みながら大きな欠伸をすると、眠気覚ましにコーヒーを飲んだ。
「本当に熱があるのか?」
苦笑いしていると、ジャーヴィスが医師が来たことを告げた。

「この時期のお子さんにはよくあるんですよ。食欲もあるしご機嫌なんで、暖かくして様子を見てください。もし熱が続くようでしたら、連絡してくださいね」
エストを診察した医師はそう言うと帰って行った。

ソファーに座り、積み木で遊ぶエストを見つめるトニーとペッパー。
「よかったわね、大したことなくて」
「あぁ、でもパーティーは中止だな」
「いいわよ…。ケーキもあるし…親子3人でお祝いしましょ?」
「そうだな…」

抱き合いキスをし始めた両親に気付いたエストは、積み木で遊ぶ手を止めて、にんまりと微笑んだのだった。

2 人がいいねと言っています。

mischievous

トニーとペッパーの娘のエスト。ちょこちょこと歩けるようになったエストは、二人の目を盗んでは悪戯に明け暮れる日々。
ペッパーのお気に入りの食器を割られることもあれば、トニーが大事にしていたコレクションも破壊されたこともある。
もちろん、トニーの本も何冊も犠牲になった。
「子供のすることだ。仕方ないさ」
トニーは苦笑しながらも、ページは破られ涎でびしょびしょになった本を片付けたのだった。

そこへ今日の惨劇。
先ほどまでダミー相手に遊んでいたエストだが、ペッパーが気付いた時にはその姿はなかった。
「ダミー?エストは?」
(ピー…)
ティッシュだらけになったダミーはおずおずとバスルームの方を指さした。
「エスト?」
バスルームへ向かうと、「あーあー」とかわいらしい声と水音が聞こえる。
「エスト?何して…キャー!!!!!」
バスルームを覗き込んだペッパーを迎え撃つは…エストのシャワー攻撃。
全身にシャワーの水をかけられたペッパーはずぶ濡れ。
「エスト!!」
慌ててエストの手からシャワーを奪い、水を止めたが、床はびちょ濡れ。
足を取られたペッパーはその場にひっくり返ってしまった。

「もう!!最悪…」
この惨劇の元凶である娘は、同じく水をかぶってびしょ濡れなのだが、母親の思わぬ姿に手を叩いて笑っている。
「エスト…笑いごとじゃないのよ。あなたも濡れてるじゃないの…。風邪ひいたら大変よ。このままお風呂に入りましょうね…」
父親そっくりの顏をしたエストの顔を拭きながら、絶対この子は父親似よね…とため息をついた。

***
「…ということがあったのよ。やられたわ…。いい子にして遊んでいると思ったら…」
昼間の出来事を、帰宅したトニーに語ると、トニーは腹を抱えて笑い出した。
「トニー!笑いごとじゃないでしょ?!」
「すまない…しかしエストの奴、やるなぁ…。で、君は大丈夫だったのか?」
「えぇ、何とか…。それにしても、誰に似たのかしらね?絶対にあなたの血筋よね…」
「そうか?」
「そうよ!もう…悪戯好きなんだから…」

腕の中で眠ってしまったエストを小さなベッド下ろすと、二人はエストの部屋を出た。

「君は悪戯好きというが…私はそんなに悪戯好きか?」
寝室へ入ると、トニーはペッパーを後ろから抱きしめた。
「あなたが悪戯好きじゃなかったら、誰がそうなの?」
首筋にキスを受けながら、ペッパーはくすぐったそうに身をよじった。
「誰だろうな…。でも私が悪戯するのは、君だけだ…」
キスの雨を首筋から肩へ移動させながら、トニーはペッパーの服の下から手を侵入させた。
「ほら…やっぱり悪戯好きじゃない」
「でも、そんな悪戯好きなトニー・スタークが好きなんだろ?」
「えぇ…そうよ…」
抱き合った二人はそのまま甘い世界へおちていった。

***
即興小説トレーニングで投稿したものです。
お題:大好きなびしょびしょ 制限時間:30分

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All my treasures②~First step~

敵に囲まれたアイアンマン。
スターク社の技術がテロ組織に使われているという情報を掴み、組織を一掃するべくやってきたのだ。

組織の設備を次々と破壊し、襲ってくるテロリストを倒していくトニー。
その時、携帯の着信音が鳴り響いた。
『トニー様、ペッパー様から電話です』
「ジャーヴィス!今!忙しい!」
敵を殴りながら答えるトニー。設備は全部破壊したが、あと数人で組織自体を一掃できるため、トニーは必死だった。
『ですが、緊急の連絡とのことですが…』
緊急だと?!もしや、何か起こったのか?!飛んできた弾丸をよけながらトニーはジャーヴィスに言った。
「繋いでくれ!」
『トニー様、お繋ぎしました』

「もしもし。ペッパー、どうしたんだ?」
「トニー!大変!!エストが…」
「どうした!?怪我でもしたのか!」
「エストがね……歩いたのよ!」
「な、何だと?!ちょっと待て!すぐ片付けて帰る!」

しまった!かわいい娘の記念すべき第一歩に立ち会えなかった!すぐに帰ればまだ間に合うはずだ!
あっという間に敵を片付け、猛スピードで飛び去るアイアンマン。
「…あのー。まだ1人残ってるんですけど…」
ただ一人倒されなかった敵がアイアンマンに手を振るが、それどころではない。
聞いてもらえなかった敵は、すごすごと撤退していった。

全速力でLAまで戻ってきたトニー。
アーマーを脱ぐ時間すら惜しく、トニーはそのままエストの部屋に向かった。
「ぺ、ペッパー!!エスト!!帰ったぞ!」
「おかえりなさい、トニー。早かったわね。アーマーくらい脱いだら?」
汗びっしょりで息の上がった、見るからに急いで帰ってきたトニーに、ペッパーはクスッと笑った。
ペッパーと塗り絵をしていたエストは、アーマーを着たトニーを見ると
「あーあーまー!!」
と、きゃっきゃっと手を叩き喜んだ。
そして、机につかまり立ちをし、
「ぱぁぱ!」
と言いながら、1歩2歩とトニーに向かってヨタヨタと歩きだした。が、3歩目を踏み出そうとしたが、さすがにまだそこまでは歩けず、ペタンと座り込んでしまった。
「エスト!すごいじゃないか!さすがパパとママの娘だな!!」
エストを抱き上げ高い高いをすると、満面の笑みで喜びはしゃぐエストは
「あーあーま!」
とトニーの顔を小さな手で触った。
「ん?『あーあーまー』とは『アイアンマン』のことか?」
「そうみたいよ。さっきもこの塗り絵のアイアンマンのところを塗りながら『あーあーまー』ってずっと言ってたの。この子ったら、アイアンマンのところしか塗らないのよ。他にもいっぱいいるのにね」
おかしそうに笑うペッパーが差し出したのは、アベンジャーズの塗り絵。

エストを抱き直すと、ペッパーが差し出した塗り絵の冊子をめくった。
見るとアイアンマンはぐちゃぐちゃだが真っ赤に塗られていた。そして、その隣のキャプテン・アメリカは、ペッパーが塗ったのだろう…とてもキレイに塗られていた。
何でペッパーはキャプテンをこんなにキレイに塗ってるんだ…。
若干ガックリと肩を落としたトニーだが、娘に「ぱぁぱー」と呼ばれ、デレっと目じりを下げた。

「おい!ジャーヴィス!さっきの記念すべき第一歩と、アイア…」
『大丈夫です、トニー様。抜かりはございません』

そろそろトニー様にデーターベースの強化をして頂かないと…。エスト様の成長記録だけで、サーバーがパンクしそうです。
ジャーヴィスは楽しそうな親子三人を見つめながらため息をついた。

***
親ばかトニペパ

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