トニーとペッパーの娘のエスト。ちょこちょこと歩けるようになったエストは、二人の目を盗んでは悪戯に明け暮れる日々。
ペッパーのお気に入りの食器を割られることもあれば、トニーが大事にしていたコレクションも破壊されたこともある。
もちろん、トニーの本も何冊も犠牲になった。
「子供のすることだ。仕方ないさ」
トニーは苦笑しながらも、ページは破られ涎でびしょびしょになった本を片付けたのだった。
そこへ今日の惨劇。
先ほどまでダミー相手に遊んでいたエストだが、ペッパーが気付いた時にはその姿はなかった。
「ダミー?エストは?」
(ピー…)
ティッシュだらけになったダミーはおずおずとバスルームの方を指さした。
「エスト?」
バスルームへ向かうと、「あーあー」とかわいらしい声と水音が聞こえる。
「エスト?何して…キャー!!!!!」
バスルームを覗き込んだペッパーを迎え撃つは…エストのシャワー攻撃。
全身にシャワーの水をかけられたペッパーはずぶ濡れ。
「エスト!!」
慌ててエストの手からシャワーを奪い、水を止めたが、床はびちょ濡れ。
足を取られたペッパーはその場にひっくり返ってしまった。
「もう!!最悪…」
この惨劇の元凶である娘は、同じく水をかぶってびしょ濡れなのだが、母親の思わぬ姿に手を叩いて笑っている。
「エスト…笑いごとじゃないのよ。あなたも濡れてるじゃないの…。風邪ひいたら大変よ。このままお風呂に入りましょうね…」
父親そっくりの顏をしたエストの顔を拭きながら、絶対この子は父親似よね…とため息をついた。
***
「…ということがあったのよ。やられたわ…。いい子にして遊んでいると思ったら…」
昼間の出来事を、帰宅したトニーに語ると、トニーは腹を抱えて笑い出した。
「トニー!笑いごとじゃないでしょ?!」
「すまない…しかしエストの奴、やるなぁ…。で、君は大丈夫だったのか?」
「えぇ、何とか…。それにしても、誰に似たのかしらね?絶対にあなたの血筋よね…」
「そうか?」
「そうよ!もう…悪戯好きなんだから…」
腕の中で眠ってしまったエストを小さなベッド下ろすと、二人はエストの部屋を出た。
「君は悪戯好きというが…私はそんなに悪戯好きか?」
寝室へ入ると、トニーはペッパーを後ろから抱きしめた。
「あなたが悪戯好きじゃなかったら、誰がそうなの?」
首筋にキスを受けながら、ペッパーはくすぐったそうに身をよじった。
「誰だろうな…。でも私が悪戯するのは、君だけだ…」
キスの雨を首筋から肩へ移動させながら、トニーはペッパーの服の下から手を侵入させた。
「ほら…やっぱり悪戯好きじゃない」
「でも、そんな悪戯好きなトニー・スタークが好きなんだろ?」
「えぇ…そうよ…」
抱き合った二人はそのまま甘い世界へおちていった。
***
即興小説トレーニングで投稿したものです。
お題:大好きなびしょびしょ 制限時間:30分