Day 5 (Thursday, July 13): post-civil war

「スパイダーマン:ホームカミング」ネタバレ注意!

シベリアでの事件から3週間。
トニーは会議に出席するため、スターク・インダストリーズにいた。というのも、NYのアベンジャーズ・タワーは売却することになり、今日はそのための役員会があるのだ。
会長であり、タワーの責任者でもあるトニーも当然出席しなければならないのだが、彼は正直気が重かった。元々会議と名の付くものは苦手なのだが、この会議にはCEOであるペッパーも出席するのだ。ペッパーには1ヶ月近く会っていなかった。喧嘩別れしたままなのだから、お互い連絡することもなく、このまま関係は自然消滅せざるを得ないのもしれない。

一体どんな顔をして会えばいいのだろうか…。正直なところ、彼女への想いは募る一方だ。この想いを正直に伝えるべきか、それとも今後はビジネスパートナーとしての関係だけを続けるべきなのか…。

そんなことを考えながら会議室のドアを開けたトニーだが、部屋には誰もいなかった。
すでに5分遅刻しているはずなのに、どうして誰もいないのかと、空っぽの部屋を眺めながらトニーは目をパチクリさせた。
「会長、会議は明日に延期になったんです。ご存知なかったんですか?」
部屋の中をウロウロするトニーに、偶然通りかかった社員に声を掛けた。
「あ…あぁ…そうなのか」
何故自分には連絡が来なかったのかと内心舌打ちしたトニーだが、文句を言っても仕方がない。やれやれと首を振ったトニーは、また明日出直して来ようと部屋のドアに手を掛けた。
と、ドアが勢いよく開き、誰かが入ってきた。邪魔にならないように慌てて避けると、その人物は息を切らせながら駆け込んで来た。ペッパーだった。
「ごめんなさい、遅く……あら?」
空っぽの部屋に状況が掴めないのか、口をぽかんと開けたままのペッパーは部屋に視線を走らせたが、ドアのそばにトニーが佇んでいるのを見ると、視線を止めた。
「会議は明日に延期だそうだ。もっとも、私もつい30秒ほど前に知ったのだが…」
目を瞬かせたトニーはペッパーを見つめた。暫く見つめ合っていた2人に言葉は何一ついらなかった。ペッパーが抱えていた書類がドサッと床に落ちると同時に、2人は抱き合いキスをし始めたのだから…。
唇が触れ合った瞬間、ここがどこであるかも忘れ、2人は貪るようにお互いを求め合った。この1ヶ月、心は死んだも同然だった。それがこうやって触れ合うだけで、世界は再び輝きを取り戻したのだ。
暫くして唇を離したペッパーは、トニーの頬を両手で包み込んだ。
「寂しかったわ…」
顔を近づけると鼻が触れ合い、トニーは音を立てて唇にキスを落とした。
「私もだ…」
お互いの存在がこんなにも必要不可欠なものになっていたなんて…。距離を置いていたこの1ヶ月で、その事実を再認識できた。

お互いの気持ちは言わずとも顔を見れば分かり合えた。顔を見合わせた2人は、もう一度キスをすると手を繋ぎ会議室を後にした。

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