「短編」カテゴリーアーカイブ

The Devil in Pink

“Agent Carter S2″は1947年のLAが舞台なのですが、ハワード・スタークはピンク色のフラミンゴを飼い始めます。
名前は「バーナード・スターク」
CZKqYAYUEAAR_R0
ジャーヴィスはこの鳥をペギーに”The Devil in Pink(ピンク色の悪魔)”と紹介しました。

S2-1&2に登場しましたが、ハワードが登場した3話にバーナードは登場しなかったので、ハワードとバーナードの絡みは見れてませんが、こんな未来があってもいいなという妄想です。

続きを読む The Devil in Pink

1人がいいねと言っています。

Everything is going well

お互いが素直になれたあの夜。
今までの思いをぶつけるかのように、二人は一晩中求めあった。

翌日、昼近くになり、ようやくトニーはベッドから抜け出した。
隣に眠る美しい女性。今まで星の数ほどの女性と朝を迎えたが、今朝ほど心も体も満たされたことはなかった。ようやく自分だけのものにできた愛しい女性。
幸せそうな顔をして眠るペッパー・ポッツの頬に口づけすると、トニーはシャワールームへ向かった。

「ジャーヴィス、どうだ?」
ラボでジャーヴィスに全身をスキャンさせながら、トニーは濡れた頭をタオルで擦った。
『全て順調です。リアクターも順調に作動しております』
モニターに映し出される結果を眺めながら、素早く血液チェックを行ったトニーは、昨日まで身体を蝕んでいた毒素の濃度も薄れてきていることに安堵した。
「トニー」
名前を呼ばれ振り返ると、身体にシーツを巻きつけた赤毛のゴージャスな美女が目の前で微笑んでいた。
「おはよう、ペッパー」
シーツを引っ張り手繰り寄せると、ペッパーはトニーの首の腕を回し、口づけしながら膝の上に座った。
「どうしたの?」
目の前のモニターを心配そうに見つめるペッパー。彼女の愛する男は、昨日まで死に直面していたのだから当然だろう。ペッパーの泣き出しそうな顔に気付いたトニーは、頬にキスを落とすと白く美しい首筋に顔を埋めた。
「もう大丈夫だ。全て順調だ」
「全てって?」
肩に冷たいものが落ちるのを気づいたトニーは、顔をあげると潤んだオーシャンブルーの瞳をじっと見つめた。
「全てさ。身体もそして君とのことも…」
頬に零れ落ちた涙を唇で吸い取ると、愛する女性は頬を赤らめ柔らかな唇と身体を押し付けてきた。
身体に巻きつけてあった白いシーツが足元に音をたてて落ちた頃には、ラボは甘い空気に包まれていた。

翌朝…。
ようやく眠りについた二人…いや、正確にはペッパーは途中で気絶してしまったのだが…そのかわいらしい寝顔を見つめていたトニーがウトウトし始めた頃だ。
『トニー様。フューリー様からお電話です』
ジャーヴィスの声に、トニーは半分眠りながら枕元の携帯に手を伸ばした。
「どうしたの?」
トニーが動いたことで、腕の中のペッパーが目を覚ました。
「あの眼帯野郎からだ…」
普段ならとっくに目覚めている時間なのだが、今朝に限っては歓迎したくない時間帯。
「…スタークだ」
不機嫌オーラ全開で電話に出るトニー。電話の向こうの相手はそれに気付いているのだろうが、事務的な口調で話し始めた。
「スターク。話がある。30分後に…」
「今忙しい。無理だ」
口なら負けないトニーがフューリーの言葉を遮ったが、さすがは長官。
「こっちも忙しいんだ!君が来ないなら家に…」
「分かった」
今、家に押しかけられたら困る…そう思ったトニーは電話を切り、しぶしぶ起き上がった。
「出かけるの?」
起き上がったトニーの腕を離そうとしないペッパー。
「すぐ戻って来るから、このまま待っていてくれ…」
ペッパーの頭にキスを落としたトニーは、大あくびをすると、ベッドの下に転がっていたパーカーとジーンズを履き出かけて行った。

指定された倉庫に到着したトニーは、目の前のファイルに目を通す。
トニーを呼び出した張本人であるニック・フューリーは、遠くから様子を伺うようにトニーを観察していた。不機嫌そうな顔をしたトニー。頭はボサボサ、寝不足で目は充血。よく見ると、首筋にはキスマークがいくつも付いている。
呼び出した間が悪かったか…。まあ、いい。全て順調そうだ。だが、さっさと家に帰した方がよさそうだ…。
ニヤついた顔を隠すように表情を作ったフューリーは、トニーの元へ颯爽と歩いて行った。

一時間後。
帰宅したトニーは、優秀な電脳執事に
「ジャーヴィス、明日まで電話は繋ぐな」
と命じると、寝室へと向かった。
ベッドを覗くとペッパーは寝息をたてて眠っている。
ペッパーを起こさないように服を脱ぎ捨て隣に潜り込んだトニーは、そっと彼女を抱きしめた。すると、求めていた温もりが戻ってきたことに気付いたペッパーが目を覚ました。
「おかえりなさい…」
嬉しそうに微笑むペッパーの唇を奪ったトニー。
「何の話だったの?」
「チームの話だ」
「??」
不思議そうな顔をして自分を見つめるペッパーに脚を絡めると、ペッパーは胸元に顔を摺り寄せてきた。彼女から醸し出される甘い香りを吸い込んだトニーは首筋に何度も吸い付き囁いた。
「ああ。その話はまた後でするよ。それよりも…さっきの続きを…」
「まだするの⁈」
よくよく考えれば、あの夜からずっとベッドの中にいる。
目を白黒させているペッパーにウインクしたトニーは
「考えてみろ。君への想いは十年分以上溜まっているんだ。それを一日や二日で吐き出すのは無理だ。せめて今日いっぱいは付き合え」
と言うと、恥ずかしそうに顔を伏せたペッパーを組み敷いた。

【IM2の屋上シーンから長官に会うシーンまでの補完。トニペパコピー本に書き下ろした作品の再録です】

4 人がいいねと言っています。

One Way Trip

この数か月の苦労が報われた瞬間。二人きり祝杯を挙げ、それから彼女との甘いひと時を過ごそうとした矢先に現れたコールソン。やけに親しそうなペッパーとの様子に軽く嫉妬心を抱きながらも渡されたファイルを開く。
これは大変なことになるぞ…。
長年の勘か、はたまた天才的な閃きのおかげか、厄介なことに巻き込まれるのは目に見えている。
この後は闘いとなるだろう。
一瞬でも長く一緒にいたくて、何とか引き留めようとする私に向かい彼女は微笑んだ。
「終わったら、ご褒美に私をあげるから…」
そう耳元で囁くと甘い口づけを残し彼女はワシントンへと飛んだ。
一人残された私は、これから起こるべき闘いに備え、ファイルを読み始めた…。

***

『ポッツ様におつなぎしますか?』
マンハッタンへ向けて発射されて核ミサイルを抱え、異空間へと繋がる扉へと向かう私にジャーヴィスが気を利かせて言った。
「あぁ…頼む…」
目の前に映し出される彼女の顔。ニコリと笑った愛しい女性の顔を見つめながら、空高く飛び続ける。

コール音だけが鳴り響く中、突然青い空が切れ目の前に漆黒の空間が広がった。

死を目前にした瞬間、走馬灯のように思い出が駆け巡ると聞いたことがある。自分に限っては、そんなことはないだろうと思っていたが…。

この世は自分だけの世界だった。
いや、自分が生み出したものさえあれば幸せだった。
そんな私を広い世界へ連れ出そうとしてくれたのが彼女だった。
あの事件の後、アイアンマンとして自分だけの世界から飛び出した私。
道を外しそうになった時、正しい方向へ導いてくれたのも彼女だった。
彼女がいなければ私は何もできない。私は彼女なしでは生きていけない。
つまり、彼女の笑顔を…存在を守れるのなら、私は命など惜しくない…。

『繋がりませんでした、トニー様…』

ジャーヴィス…彼女の声を聞いていれば、この決意は揺らいでいたかもしれない…。
自己犠牲なんて精神は、あのお硬いキャプテンの専売特許だと思っていたのに…。

ジャーヴィスとの通信も途絶え、一人漆黒の空間へ放り出された。

目を閉じ、彼女の顔を思い浮かべる。
また泣かせてしまうな…。
別れの挨拶も言えなかった。
ペッパー、泣くなよ。
いつだって私は君のそばにいるから…。

***

耳元で怒声が聞こえ慌てて目を開けると、目の前にお馴染みの面々がいた。
「誰もキスはしてないだろうな?」
それだけ軽口が叩けたら大丈夫だな…とみんなに笑われたが、心から欲してやまないのはただ一人。

***

「トニー…」
破壊されたスタークタワーを見渡していると、泣きそうな顔をした彼女が部屋の入り口に立っていた。
腕を広げ胸に飛び込んできた彼女を抱きしめる。
「トニー…無事でよかった…」
胸元に顔を埋め何度も繰り返し彼女の頭にキスを落とす。
あの時、二度と君に逢えないかもしれないと覚悟を決めた瞬間、もう一度逢えたら永遠に君の手を離さないと決めたんだ…。

「ペッパー…。永遠に愛してるよ…」
熱い口づけを交わしあい、力の抜けた彼女の身体を抱きしめ直すと、柔らかな甘い香りに溺れていった。

【アベンジャーズの補完話。トニペパコピー本新録の再録です】

3 人がいいねと言っています。