「Pepperony Week 2018」カテゴリーアーカイブ

Day7. highschool AU

「スタークくん!またサボったでしょ!」
学園中に響き渡る怒声に、生徒たちはまた始まったぞと苦笑した。
声の主は、超真面目で『歩く校則』と言われる、生徒会長のペッパー・ポッツ。そして彼女が文句を言っている相手は、天才・金持ち・女好きとしてLA中で有名なトニー・スターク。いつも校則を破ってはおちゃらけているトニーの態度が気に入らないらしく、ペッパーは毎日のように彼に文句を言っている…そんな光景は、今や学園の名物となっていた。

それから数時間後の昼休み。
人が滅多に踏み入れない、学園の片隅にある体育倉庫に、この2人の姿があった。トニーの膝の上に座ったペッパーは、首筋にキスを受け、切なそうに身をよじった。
「ん…トニー…もう…時間よ…」
「仕方ないな。続きは放課後、うちで」
唇にチュッとキスをしたトニーは、ペッパーの乱れた服装を整えると立ち上がった。
実はこの2人。犬猿の仲と周囲からは思われているが、れっきとした恋人同士なのだ。
「真面目なポッツさんが、まさか体育倉庫で俺に抱かれてるなんて」
ククッと笑ったトニーだが、頬を真っ赤に染めたペッパーは上目遣いに彼を見つめた。
「…あなたから離れたくないから…」
モジモジしているペッパーは可愛らしく、トニーはわざとらしく眉をひそめた。
「いいか。そんな可愛らしいところ、他の男に見せるなよ?」
「分かってる。あなただけよ」
トニーの頬にキスをしたペッパーは眼鏡を掛け、咳払いをした。その瞬間、彼女はいつものペッパー・ポッツに戻った。
「スタークくん、次の授業に遅れるわ」
「はいはい、ポッツさん。お先にどうぞ」
ドアを開けお辞儀をしたトニーに手を振ると、ペッパーはパタパタと駆け出して行った。

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Day.6 soulmate

戦火に追われ逃げ込んだものの、若い夫婦に逃げ道はなかった。覚悟を決めた2人は離れ離れにならぬよう抱き合った。
「生まれ変わっても、私たち、また一緒になれるわよね?」
「あぁ。君のこと、必ず見つけるから…」
それが最期の言葉だった。見つめあった2人は唇を重ねると、迫り来る業火に身を委ねた…。

***

「何処かで会ったことがあるか?」
ある日、一人の女子社員とすれ違った。赤毛の髪の美しい女性だった。肩が触れた瞬間、今まで感じたことのない何かに襲われ、トニーは思わず声を掛けた。立ち止まった女性は、不思議そうに首を傾げた。
「いいえ。お会いするのは初めてです」
琥珀色とオーシャンブルーの瞳が交錯した。見つめ合った瞬間、何とも言えない懐かしさが込み上げてきた。そして互いの瞳に吸い込まれるような感覚に陥った。何故だか分からないが、ずっと昔からお互いのことを知っている気がした。
「今、ここで出会ったのは、運命か?」
我ながらキザな台詞だと思ったが、自然と言葉が口に出ていた。
「そうかもしれませんね」
クスクス笑いだした女性のその笑い声さえも懐かしく、トニーはすっと手を差し出した。
「トニー・スタークだ」
「ヴァージニア・ポッツです」
おずおずと差し出された柔らかな手の温もりは、トニーに生まれて初めて心の平安をもたらしてくれた。

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Day5. post-Infinity War

あの事件の後、世界は一変してしまった。それでも残された人々は、以前の暮らしを取り戻そうとしたが、失われたものは戻ってくるはずはなかった。そしてトニー自身もまた、何かが変わってしまっていた。

「ねぇ、聞いてる?」
ボンヤリとしているトニーを突くと、ようやく我に返った彼はペッパーを見つめた。
「あぁ、すまない。何だ?」
「もう、しっかりして。さっきから5回は言ってるわよ。モーガンの部屋をどこにするかって話」
わざと頬を膨らませてみせると、申し訳なさそうにトニーは肩を竦めた。
目の前で息子のように思い始めていた少年を失ったことは、トニーの中で何かが永遠に変わってしまった。はっきりとは口に出さないが、おそらく彼自身の血を分けた息子もまた、失うのではないかという恐怖…。
トニーが小さく震えているのに気づいたペッパーは、彼の手を取ると自分のお腹にあてた。
「トニー、心配しないで。私もモーガンも絶対にどこにも行かないから…」
そう言いながら抱きしめると、小さく頷いたトニーの震えが止まった。

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Day3. Jealousy

トニーに女性が近寄ってくるのは昔からのことなのだが、それはペッパーが恋人になってからも相変わらず続いていた。
今日もチャリティーパーティに出席しているのだが、トニーは大勢の女性に囲まれていた。中でも一際目を引くのは、ゲストのハリウッド女優のA。今世界中で大ブレイク中のAは、トニーのファンだと公言すると、トニーに抱きつき離れようとしない。トニーもAがゲストだからか、振り払おうともせずなすがままだ。
これも仕事だと最初は我慢していたペッパーだが、Aがあまりにベタベタしているので、段々と腹が立ってきた。

Aがトイレへ行った隙に、トニーはようやくペッパーの元に戻ってきた。
「楽しそうね」
やけに棘のある言い方だが、珍しく子供のように頬を膨らませているペッパーに、トニーは目を見張った。思い当たることはただ一つ。それは…。
「嫉妬してるのか?」
ニヤニヤ笑みを浮かべたトニーをペッパーはじろりと睨み付けた。
「嫉妬?する訳ないでしょ?!」
ぷんっと顔を背けたペッパーだが、そこへAが戻って来た。
「トニー!お待たせ!ねぇ、ここから抜け出さ…あら?誰?」
ペッパーに気づいたAはジロジロと値踏みするように見つめた。まるで『私がトニーをもらうのよ』と言うように…。
ここは冷静に…と、ペッパーは自己紹介しようとしたのだが、それより先にトニーがペッパーの腰を抱き寄せた。
「紹介しよう。恋人のペッパー・ポッツだ」
『恋人』をやたら強調したトニーは、呆然とするAに取ってつけたような笑みを浮かべた。
「悪いが私の相手を出来るのはペッパーだけなんだ」
ペッパーの唇を奪ったトニーはAに向かって手を振ると、ペッパーを抱き寄せたまま歩き始めた。

Day4へ続く…

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