トニーに女性が近寄ってくるのは昔からのことなのだが、それはペッパーが恋人になってからも相変わらず続いていた。
今日もチャリティーパーティに出席しているのだが、トニーは大勢の女性に囲まれていた。中でも一際目を引くのは、ゲストのハリウッド女優のA。今世界中で大ブレイク中のAは、トニーのファンだと公言すると、トニーに抱きつき離れようとしない。トニーもAがゲストだからか、振り払おうともせずなすがままだ。
これも仕事だと最初は我慢していたペッパーだが、Aがあまりにベタベタしているので、段々と腹が立ってきた。
Aがトイレへ行った隙に、トニーはようやくペッパーの元に戻ってきた。
「楽しそうね」
やけに棘のある言い方だが、珍しく子供のように頬を膨らませているペッパーに、トニーは目を見張った。思い当たることはただ一つ。それは…。
「嫉妬してるのか?」
ニヤニヤ笑みを浮かべたトニーをペッパーはじろりと睨み付けた。
「嫉妬?する訳ないでしょ?!」
ぷんっと顔を背けたペッパーだが、そこへAが戻って来た。
「トニー!お待たせ!ねぇ、ここから抜け出さ…あら?誰?」
ペッパーに気づいたAはジロジロと値踏みするように見つめた。まるで『私がトニーをもらうのよ』と言うように…。
ここは冷静に…と、ペッパーは自己紹介しようとしたのだが、それより先にトニーがペッパーの腰を抱き寄せた。
「紹介しよう。恋人のペッパー・ポッツだ」
『恋人』をやたら強調したトニーは、呆然とするAに取ってつけたような笑みを浮かべた。
「悪いが私の相手を出来るのはペッパーだけなんだ」
ペッパーの唇を奪ったトニーはAに向かって手を振ると、ペッパーを抱き寄せたまま歩き始めた。
Day4へ続く…