「…ペッパー…」
か細い声に顔を上げると、琥珀色の大きな瞳と目が合った。
「トニー…大丈夫?」
小さく頷いたトニーだが、身体を動かした彼に猛烈な痛みが襲い掛かった。
「…いたい…」
顔を顰めたトニーは辛そうで、ペッパーはナースコールに手を伸ばした。が、
「…キスしてくれたら治る」
と、トニーはそれを遮った。
彼らしい答えだが、目覚めたことは知らせないといけない。
「キスはいくらでもしてあげる。でも、あなたが目を覚ましたことは知らせないと…」
唇に軽くキスをしたペッパーはナースコールを押した。
医師が看護師と共にやって来た。トニーを手早く診察した医師に指示された看護師は、点滴に鎮痛剤を入れ始めた。
程なくしてトニーはウトウトとし始めた。それでも先程のことはしっかり覚えているのだろう。唇を指さしたトニーは微睡み始めた瞳をペッパーに向けた。
クスクス笑ったペッパーは、ヒールを脱ぐとトニーの隣に横になった。そして点滴の邪魔にならないようにトニーに抱きついたペッパーは、彼の頬に何度も何度もキスをした。