「2013年クリスマス」カテゴリーアーカイブ

IM1前のクリスマス(トニペパ&ハッピー)

今日はクリスマス。
本当なら、教会から帰った後は恋人と自宅で聖なる夜を静かに祝う予定だったのだが…。あいにく恋人もおらず、そして友人でありボスであるトニー・スタークの命令とあらば、ハッピーは従わざるを得なかった。いや、正確に言うと、家で一人淋しいクリスマスを迎えるよりは、トニーについてドンチャン騒ぎをする方が遥かに楽しいからなのだが…。

というわけで、ハッピーはトニーの運転手兼護衛という名目でパーティーに参加していた。
LA中のちょっとしたセレブは皆集まっているのではないかと思うような面子の集まったパーティーは、高価なワインやシャンパンが水も同然に振舞われ、大勢の女性を侍らすトニーを見ながら、ハッピーも会場の片隅でジュースと料理を頬張っていた。
「ハッピー、ここにいたのね?」
振り返ると、一人の女性がいた。ペッパー・ポッツ。トニー・スタークのPA。
フラフラと足が地に着いていないトニー・スタークに代わり、実質会社を仕切っているのはポッツと言うことは周知の事実。加えてボスであるトニーの仕事からプライベートまであらゆるスケジュールを管理し、彼が一夜を共にした女性の始末までをも請け負っているペッパー・ポッツは、トニー・スタークの影のように常にそばにいるのだ。
せっかくのパーティーなのに化粧気もあまりなく、彼女は地味な黒のワンピースにポニーテールという普段と同じような格好をしている。
スラリとした身体もくびれた腰も引き締まった尻も普段はスーツで隠しているが、美しく着飾ればオトコの気を引くことは間違いない。
(抜群のいいオンナなんだよな…)
ハッピーもオトコだ。彼女に出会い何度となく声をかけようかと思った。だが、ペッパーはトニーのことが好きだ。本人に自覚はないかもしれないが、ハッピーの目から見ても明らかだ。

(ボスは彼女の魅力に気がついているのだろうか…)
チラリとトニーを見ると、派手な女性とキスをしているところだった。その様子を見つめるペッパーは、彼がそうしていることを無理やり受け入れようとしてい るのか無表情だ。
(このまま帰らないパターンだな…)
今宵はクリスマス。おそらくトニーはこのまま女性たちとホテルに泊まる気だろう。そうなると、ペッパーを送り届けるのは自分の仕事なわけで…。
(たまにはいいだろ?)
そう自分に言い聞かせたハッピーは、何度か深呼吸すると、ワインを飲んでいるペッパーに声をかけた。
「ペッパー…その…もしよかったら、飲みに…」
だが、ハッピーの言葉は突然近寄って来たトニーの言葉に遮られた。
「ペッパー!」
「あら、トニー。どうしたの?」
慌てたようなトニーの様子に気づいていないペッパーは、トニーの顔を見ると嬉しそうに微笑んだ。
「ペッパー。疲れた。帰るぞ」
ペッパーの腕を掴んだトニーは、まだ何か言い寄ろうとしている女性たちを無視すると、出口に向かって歩き始めた。

ペッパーには手を出すな…ということか。他の男が話しかけるのがそれほど嫌なら、さっさと自分のモノにすればいいのに…。おそらく、トニーにとってペッパーは何よりも大切なもの。傷付けたくないから慎重になっているのだろうが…。

物思いに耽っていたハッピーは、トニーの声で現実に引き戻された。
「ハッピー!車!」
「はいはい」
グラスの中のジュースを飲み干したハッピーは、仏頂面で腕組みしているトニーの元へ急いだ。
「それから、帰って3人で朝まで飲むぞ!」
ペッパーの手をギュっと握ったトニーは、無意識のうちに身体を抱き寄せたが、ペッパーは特に抵抗する様子もなく、彼の言葉に反論した。
「トニー、私は帰るわよ?」
だが、トニーは眉を吊り上げると、有無を言わせぬように声を張り上げた。
「ダメだ。クリスマスだぞ?今日はうちに泊まれ。いや、朝まで眠らせないからな」
取りようによれば…しかも今宵は聖なる夜なのだ。はっきり言ってトニーの言葉は愛の囁きにしか聞こえない。聞き耳を立てていた女性たちが次々と悲鳴を上げて倒れたが、知らぬ顔のトニーはペッパーの手を引っ張ると車に乗り込んだのだった。

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クリスマス(トニペパ+アベンジャーズ)

今宵は、S.H.I.L.D.長官であるニック・フューリー主催のクリスマスパーティー。ヘリキャリア内で開催されるパーティーには、 S.H.I.L.D.のエージェントのみならずアベンジャーズのメンバーも参加していた。
ということで、当然トニー・スタークと恋人のペッパー・ポッツの姿もあるわけで…。だが、嫌々参加したトニーは早く帰ってペッパーと二人きりになりたいと 内心思っていたのだった。

ダンスも終わり、酒を片手に料理を摘まんでいたスティーブは、先ほどまで隣にいたトニーとペッパーがいないことに気づいた。
「あれ?スタークたちは?」
キョロキョロと辺りを見回したスティーブだが、二人の姿はどこにもない。
「あぁ…あの二人なら…」
何か言いかけたクリントだが、その言葉を遮るようにナターシャが横から口を挟んだ。
「あの二人なら、下に降りて行ったわよ?」
二人が会場を抜け出したと知ったスティーブは、顔を顰めた。
「これからメインイベントなんだぞ?!まったく…スタークの奴!呼んで来る!」
元々トニーがこのパーティーに参加するのは乗る気ではなかったのを知っているスティーブ。だが、フューリーが半年前から用意していたメインイベントが始まるのに抜け出すなんて…と許せないのだろう。真面目実直な彼らしいと言えばそうなのだが、どうやら彼の選択肢には『そっとしておく』というのはないらしい。肩で風を切り階下へ降りて行ったスティーブに、ナターシャは慌てて声をかけた。
「待ちなさい!スティ……あ、ダメね。もう行っちゃったわ」
間に合わなかったことを気にする風でもなく、悪戯な笑みを浮かべたナターシャをクリントはニヤニヤ笑いながらつついた。
「全くお前も意地が悪いな。ちゃんと説明しないと、キャプテンが誤解するぞ?」
だがナターシャは肩をすくめるとワイングラスを手に取った。
「あら、いいじゃない。面白いもの」
澄まして言うナターシャに、クリントはやれやれとため息を付いた。

あちこち探し回るスティーブだが、トニーとペッパーの姿はない。
「スターク?」
何度か名前を呼ぶが一向に返事がなく、痺れを切らしたスティーブは片っ端から部屋のドアを開けていった。だが、あの二人はどこに姿をくらましたのか、気配すらない。
「全く…どこに行ったんだ!」
頬を膨らませたスティーブだが、ふと顔を上げると少し先の尋問室の方から声がするのに気づいた。
「もしかして、あそこか?」
うっすらと開いたドアからは光が漏れ出している。そっと近づいたスティーブは、聞き耳を立てた。すると…。
「と、とにー…や、やだ…」
妙に艶っぽい声が聞こえ、スティーブは飛び上がった。目を白黒させているスティーブに追い打ちをかけるようにトニーの声も聞こえてきた。
「嫌だと?こんなにしておいて、どの口が言うんだ?」
「ん…」
ドアの隙間から聞こえてきた会話。いくら童貞でも、その向こうで行われている行為については容易に想像できた。
(す、す、スタークとミス・ポッツは…そ、その…ふぉ、フォンデュ?!)
真っ赤になったスティーブは慌ててドアから身を離したが、やはり刺激が強すぎたのだろう。フラフラと後ろに下がると、そのまま気絶してしまった。

何かが倒れる音が聞こえ驚いたのはトニーとペッパー。
部屋から飛び出した二人だが、ドアの前で鼻血を出したスティーブが倒れているのに気付き飛び上がった。
「おい…じいさんはなぜここで寝てるんだ」
何となく状況を理解したトニーをしゃがみ込みスティーブを揺さぶっていたペッパーが見上げた。
「ねぇ、トニー…気絶してるわよ?」
やっぱりな…と鼻を鳴らしたトニーはペッパーの腕を取ると立ち上がらせた。
「全く…どうせ勘違いしたんだろ?」
「勘違いって…」
不安げに見上げてくるペッパーにトニーはニヤリと笑みを浮かべた。
「私たちがセッ○スしてるとでも思ったんじゃないか?」
「せ!?そ、そんな…」
いくらなんでもこんなに人の出入りが激しい場所ではしないということくらい誰が考えても分かりそうなものだが、相手はあのスティーブなのだ。その可能性は 十分に…いや、間違いなくそうだろう…。
途端にあたふたし始めたペッパーを抱きしめたトニーだが、大げさに肩をすくめた。
「じいさんが勘違いするのも仕方ないな。足を固定しただけなのに、君があんな艶めかしい声を出すからだ。それより、その足じゃ歩けないだろ?おぶってやる よ」
身体を離したトニーは、ペッパーに背を向けた。だが、トニーに背負われて会場に帰った途端みんなに冷やかされる光景を想像したペッパーは、慌てて首を振った。
「だ、大丈夫よ」
だが、トニーは眉を吊り上げ声を荒げた。
「大丈夫だと?!腫れてるじゃないか!しかも足を引きずっている。誰がどう見ても大丈夫ではない。そもそもそんなにヒールのある靴を履いてくるからだ。そんな物を履いて走るから足を挫くんだ。いいか?もう二度とそんなにヒールのある靴は履くな。分かったな?」
トニーの言葉はもっともだ。反論できず小さく頷いたペッパーを抱きかかえたトニーは、今だに気絶しているスティーブを跨ぐと、パーティー会場へ戻っていっ た。

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クリスマス(トニペパ未来編・結婚一年目)

クリスマス前

「トニー、大きすぎたんじゃないの?家に入らないわ…」
エントランスにそびえ立つ大きなモミの木。結婚して初めてのクリスマスということで、わざわざ現地まで出向き調達したのはいいのだが…。トニーが選んだ木は大きかった…いや、大きすぎた。
「何だ?大きいに越したことはないだろ?それに、入らなければ玄関を壊せばいい」
腕組みしたトニーはふんっと鼻を鳴らした。
(大きければいいというものじゃないでしょ…。どうして彼っていつもこうなのかしら…)
頭を抱えたペッパーはため息を付いたが、木を搬入してきた業者の声に我に返った。
「何とかして入らないかしら?」
外に飾ってもいいのだが、せっかくトニーが選んだのだ。どうにかリビングに…と業者と相談した結果、結局枝を落とし少しだけ高さを低くすることになった。
「ハニー、これなら…」
振り返ると、トニーの姿はなかった。
「もう!どこに行ったのよ!」
私がこんなに苦労してるのに!と眉間に皺を寄せたペッパーはイライラと足を踏み鳴らしたが、険悪な雰囲気が漂い始めたのに気付いた業者は、あっという間に 仕事を片付けるとそそくさと帰って行った。

吹き抜けの天井に届きそうなモミの木をペッパーが見上げていると、なぜかアーマーを着たトニーがラボから駆け上がってきた。
「トニーったら、どこに行ってたの!」
妻にジロリと睨まれたのも気にする風でもなく、トニーはツリーを見ると顔をほころばせた。
「さすが私が選んだだけある。大きさもピッタリじゃないか!」
(何がピッタリよ…)
今日何度目かのため息をついたペッパーだが、トニーは持っていた箱を彼女の面前に差し出した。
「さぁ、ハニー。共同作業の時間だ!」

トニーが持ってきた箱にはたくさんのオーナメントが入っており、二人は黙々と飾りつけを始めた。手が届かないところはトニーが(そのためにアーマーをわざわざ着たらしい)飾りつけ、30分ほどたった頃には箱の中には大きな星が一つになっていた。
「あとはこれだけね」
ペッパーが巨大な星を手に取ると、トニーが隣に降り立った。
「では…」
ペッパーを抱きかかえるとトニーは宙に浮かんだ。
「きゃ!!ど、どうしたの?!」
急に身体が浮き上がり思わず声を上げたペッパーは、トニーにしがみ付いた。
「ハニー、最後の一つは一緒に飾り付けるんだ」
ニヤリと笑ったトニーは木のてっぺんに近づくと、ペッパーの手を取った。
「さあ、一番高いところに…」
手を伸ばし星を付けると、窓から降り注ぐ太陽の光で、星は輝き始めた。
「ステキね」
ウットリとした表情のペッパーは、顔をトニーの肩口に摺り寄せた。
「ペッパー、一つずつ星を増やしていこうな」
首筋にキスをしながら囁かれたトニーの言葉の意味を理解したペッパーは、頬を緩めるとニッコリと微笑んだのだった。

クリスマス当日

『初めてのクリスマスは二人きりで過ごしたい』
毎年、クリスマスパーティーに出かけていた二人だったが、今年はトニーの言葉通り二人きりで過ごしていた。
数日前からリビングに鎮座するツリーの傍の暖炉の前で、二人は抱き合っていた。そう、文字通り、『抱き合って』いた。
パチパチと薪の爆ぜる音に合わせるように身体の上に掛けたブランケットが揺れており、二人の息遣いのみが部屋に響き渡っている。
やがて艶めかしい声と共にブランケットの山が崩れ落ち、布と布の隙間から二人が顔を覗かせた。
ほんのりと赤く染まるペッパーの身体を抱き寄せたトニーは、汗ばんだ素肌に口づけをした。
「どうだった?」
思いが通じ合ってから幾度となく身体を重ねたのに、トニーは初めて結ばれた後の少年のような瞳をしている。可愛らしくそして愛らしい顔にそっと触れたペッパーは、頬に唇を這わせた。
「あなたって最高ね。悔しいけど、毎回ぞくぞくしちゃう…。で、あなたはどうなの?ミスター・スターク?」
キスをしながらリアクター周囲を触れるペッパーの指遣いに身体を震わせたトニーは、身体を反転させると彼女の華奢な身体を組み敷いた。
「あぁ、最高だ。ハニー、君は最高だよ。私たちは相性がいいんだろうな。どうしてもっと早く君とこうしていなかったんだろうな?」
ニッコリと微笑んだトニーは、さらなる高みへ上るべく、夜通しペッパーに愛を囁き続けた…。

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子供が生まれて初めてのクリスマス(トニペパ+エスト)

今年のクリスマスは今までとは違った。
大きなクリスマスツリーもリースも同じなのだが、暖炉に掛けられた靴下は去年よりも1足増えていた。
そう、今年はエストが生まれて初めて迎えるクリスマス。もうすぐ2か月になるエストは、「あーうー」と声を出したり手足をばたつかせたりと元気いっぱい。
そのエストは、ベビーベッドの中で夢の中。そばに跪き娘の寝顔を見入っていたトニーに背後からペッパーが抱き着いた。
「プレゼントは渡した?」
「いや、まだだ。君と一緒に渡そうと思ったんだが…。待っているうちに眠ってしまった」
鼻の頭を掻いたトニーは、振り返るとペッパーの唇を奪った。
「気に入ってくれるだろうか…」
足元に置いた大きな袋を持ち上げたトニーは、不安そうな顔をしている。
「大丈夫。あなたと私の娘なのよ?きっと気に入るわ」
トニーの手から袋を取り上げたペッパーは、中身を出すと娘の枕元に置いた。
「人形の方が大きかったな」
苦笑するトニーに寄り添ったペッパーは、トニーの肩に頭を預けた。
「すぐに大きくなるわよ。そしたらもっと大きいのが欲しいって言い始めるわよ」
あなたの娘だから…と言葉を続けようとしたペッパーだが、トニーは鼻を鳴らした。
「そんなものは必要ない。本物がそばにいるんだ」
「それもそうね」
クスッと笑ったペッパーがトニーを見上げると、彼は大きな目でじっと見つめ返してきた。
「どうしたの?」
トニーが何を思っているのか分からず、ペッパーが小首を傾げると、彼は口の端を上げた。
「いや…来年は小さなお姫様が足元を走り回っていると思うと、楽しみで…」
照れ臭そうに笑ったトニーは娘の枕元に置いた大きなアイアンマンの人形の頭に触れた。
「今日からしっかりお姫様のガードを頼むぞ?」
そう言うと、トニーはペッパーの腕を取り、彼女の作った料理の待つリビングへと降りて行った。

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IM3後翌年のクリスマス(トニペパ)

「あれから1年経ったのね…」
工具や機材を避けながら、バルコニーへ出たペッパーは、身体を伸ばし深呼吸をした。目の前に広がる海は1年前と変わらず穏やかで、そして青く煌めいている。
「1年か…早いな…」
隣に歩み寄ったトニーはペッパーの腰に手を回すと身体を抱き寄せた。逞しい胸元に顔を摺り寄せたペッパーは左手でトニーの左手を取ると指を絡めた。昨日 嵌めたばかりの絆がぶつかり、小さな金属音を立てた。
新しい人生をスタートさせたあの日と同じ日に、二人の新しい人生をスタートさせたいと望んだのはトニーだった。そして、今日…二人で歩み始めた最初のクリスマスを思い出の場所で迎えたいと望んだのはペッパー。
外装は仕上がり、クリスマス休暇後からは内装に取り掛かる予定の家は、破壊される前と寸分違わず再建される予定だ。
「ミセス・スターク、もし手直ししたい場所があれば言ってくれ。まだ間に合う。実は私はあるんだ。この段差、危険だろ?」
ペッパーのお腹に手を当てたトニーは、実に幸せそうな笑みを浮かべた。1年前、悪夢に怯えていたのが嘘のように、彼の表情は幸せに満ち溢れている。その笑みを見つめたペッパーは、トニーの身体に抱きつくと、夫の頬にキスをした。
「そうね。この子の部屋、どこにするか決めない?私たちの寝室の近くがいいだろうけど…」
唇に指を当て小首を傾げたペッパーにトニーは眉を吊り上げた。
「ハニー。隣はダメだ。教育上良くない。それに、子供部屋が隣だと、思いっきりできないだろ?」
「!!」
ニヤニヤと笑みを浮かべたトニーだが、真っ赤になったペッパーに睨まれると、照れたようにキスをし始めた。
「ねぇ、トニー。この子と3人で素敵な思い出を作りましょうね…」
顔中にキスを受けながらペッパーが囁くと、トニーは何度も嬉しそうに頷いた。

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