IM3後翌年のクリスマス(トニペパ)

「あれから1年経ったのね…」
工具や機材を避けながら、バルコニーへ出たペッパーは、身体を伸ばし深呼吸をした。目の前に広がる海は1年前と変わらず穏やかで、そして青く煌めいている。
「1年か…早いな…」
隣に歩み寄ったトニーはペッパーの腰に手を回すと身体を抱き寄せた。逞しい胸元に顔を摺り寄せたペッパーは左手でトニーの左手を取ると指を絡めた。昨日 嵌めたばかりの絆がぶつかり、小さな金属音を立てた。
新しい人生をスタートさせたあの日と同じ日に、二人の新しい人生をスタートさせたいと望んだのはトニーだった。そして、今日…二人で歩み始めた最初のクリスマスを思い出の場所で迎えたいと望んだのはペッパー。
外装は仕上がり、クリスマス休暇後からは内装に取り掛かる予定の家は、破壊される前と寸分違わず再建される予定だ。
「ミセス・スターク、もし手直ししたい場所があれば言ってくれ。まだ間に合う。実は私はあるんだ。この段差、危険だろ?」
ペッパーのお腹に手を当てたトニーは、実に幸せそうな笑みを浮かべた。1年前、悪夢に怯えていたのが嘘のように、彼の表情は幸せに満ち溢れている。その笑みを見つめたペッパーは、トニーの身体に抱きつくと、夫の頬にキスをした。
「そうね。この子の部屋、どこにするか決めない?私たちの寝室の近くがいいだろうけど…」
唇に指を当て小首を傾げたペッパーにトニーは眉を吊り上げた。
「ハニー。隣はダメだ。教育上良くない。それに、子供部屋が隣だと、思いっきりできないだろ?」
「!!」
ニヤニヤと笑みを浮かべたトニーだが、真っ赤になったペッパーに睨まれると、照れたようにキスをし始めた。
「ねぇ、トニー。この子と3人で素敵な思い出を作りましょうね…」
顔中にキスを受けながらペッパーが囁くと、トニーは何度も嬉しそうに頷いた。

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