クリスマス(ハワード+トニー1歳半)

今日はクリスマス。
店先や家々は華やかなイルミネーションで彩られ、行き交う人々は家路を急いでいた。
それは、NYのスターク邸も例外ではない。庭の木々もそして家の外壁も、これでもかというくらい派手に飾られており、2年前のクリスマスでは見られない光景が広がっていた。
「社長…毎年派手になっていきますね」
家の前に車を停めた運転手は、後部座席で何やらごそごそとしているハワードに声を掛けた。
顔を上げたハワードは、隣に置いていた荷物を開封しながら得意げに話し始めた。
「当り前だ。かわいい息子のためだ。去年はまだ分からなかったようだが、今年はこの飾りを見て喜んでいるんだ。来年はもっと…」
だが、運転手が微笑ましい…と笑顔で自分を見つめているのに気づくと、慌てて咳払いをした。

車の中で用意していた服に着替えたハワードは、玄関の前に立つと呼び鈴を押した。ドア横の小窓から覗いていると、小さな息子がよちよちと走ってくるのが見え、深呼吸をするとハワードはドアを開けた。
「トニーくん、メリークリスマス!」
突然現れたサンタクロース。玄関先で仁王立ちしているサンタクロースに驚いたトニーは、足元で立ち止まるとじっと見つめた。
が、彼は気付いてしまった。サンタクロースの正体に…。
「パパ!」
サンタの足元にしがみ付いたトニーは、嬉しそうに声を上げた。これに慌てたのはハワード。こんな完璧な変装なのだ。絶対にバレないと自信満々だったのに…。
「おい、マリア。ばれたぞ!なぜだ?!」
リビングへと繋がるドアの陰で必死で笑いをこらえているマリアに向かってハワードは叫んだ。だが、抱っこしろと文句を言い始めたトニーを抱き上げると、ため息を付きながら真っ赤な帽子を脱ぎ捨てたのだった。

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