New Year’s Eve(トニペパでカウントダウンパーティー)

「トニーったらどこに行ったのかしら?」
もうすぐカウントダウンが始まるというのに、トニーの姿が見当たらない。社長であるトニーが壇上でカウントダウンをする予定なのだから、本人がいないと元も子もないのだ。
開始予定時刻まで後5分。あちこち探し回るペッパーの目に、トニーの姿が飛び込んできた。
「トニー!どこへ行ってたの!」
非難めいた声と三角につり上がった目を無視したトニー。
「外の空気を吸いに。何だ、その目は?間に合ったからいいだろ?」
と言うと、さっさとステージへ駆け上がった。まだブツブツと文句を言っているペッパーの手を引っ張ると、トニーは彼女を壇上へと引き上げた。そして、腰を抱き寄せると、社員から渡されたシャンパンを片手に挨拶を始めた。
いつもの軽快なトークに笑いに包まれる会場だが、ペッパーはそれどころではなかった。というのも、背後が見えないのをいいことに、トニーの手が背中を這い回っているのだ。しかも、ドレスは背中の部分が大きく開いたタイプ。もちろん下着を着けている訳もなく…。
背中を這い回る感触に小さく震えたペッパーは、まだ話をしているトニーのジャケットを掴むと、真っ赤になった顔を隠すように無理やり笑顔を張り付けた。
ちらりとペッパーを見たトニーは意地悪な笑みを浮かべたが、ペッパーに軽く睨まれると舌を出した。

新年まで後1分となり、パーティーの司会者の合図でカウントダウンが始まった。ペッパーの頬にキスをしたトニーは、手を優しく握るとにっこりほほ笑んだ。
「ハニー、年が明けたら…な?」
「え?何?」
小首を傾げたペッパーだが、トニーは笑うばかりで何も言わない。
二人が話しているうちに、カウントダウンはどんどんと進み、気が付けば残り5秒。カウントダウンの声は今や大合唱と化している。

「3・2・1……ハッピーニューイヤー!!」

新年になると同時にクラッカーが盛大に鳴り響き、辺りは大歓声に包まれた。
大騒ぎになっている会場の一方で、トニーはステージ上でペッパーにキスをしていた。
硬く抱き合いキスをし続ける二人。いつものことなのか、会場の人々の大部分は気にする風でもない。
やがて唇を離した二人だが、ペッパーはキスに酔ったのかぼんやりとしている。その隙に、トニーは華奢な指に指輪を滑り込ませた。
どうやらペッパーは指輪には気付いていないようだ。
(さて、いつ気付くだろうか?気付かなかったらお仕置きだな)
ニヤリと笑ったトニーはうっとりと自分を見上げるペッパーを抱き寄せると
「Happy New Year!」
と叫びながら会場を後にした。

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