8. Brown

彼のこげ茶色の瞳は人を魅了してやまない。それは老若男女問わないどころか人間以外のものにも抜群の効果を発するようだ…。

「その犬、どうしたの?!」
帰宅したトニーを出迎えたペッパーは、彼の腕の中にいる小さな犬に気付くと大声を出した。
その声に驚いたのだろう、ビクっと身体を震わせた子犬は、くーんと小さな声で鳴くと、恨めしそうにトニーを見上げた。
子犬を宥めるように頭を撫でたトニーは、困ったように頭を掻いた。
「車に乗ろうとしたら足元にいた。どうしたんだと聞いたら縋り付いてきた。何事もなかったかのように帰ろうとしたんだが、ドアを開けた瞬間入り込んできた。追い出そうにもこの可愛らしい瞳に見つめられたら出来るわけがない。ということで、連れて帰ってきた。…ダメか?」
ダメかと言われても、子犬と同じような目で見つめられれば、嫌と言えるはずがない。実際のところ、ペッパーも動物は好きだし、どことなくトニーに似た犬に親近感すら湧いていたのだから…。
だが、問題は…。
「ダメじゃないわ。この子、可愛いもの。でもね、トニー、お願いだからこの子で最後にしてね?」
そう、実はこれで4匹目。何事かと集まって来た2匹の子犬と1匹の子猫をチラリと見たペッパーは子犬を受け取ると、よかったなと子犬の頭をつついたトニーにキスをしたのだった。

拍手お礼再掲。The Pepperony 100 Challengeより

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