005.前戯

結婚して早5年。娘も2歳になり、夫婦二人の時間も戻りつつあるのだが、ペッパーには悩みがあった。

「最近、マンネリなのよ…」
目の前の紅茶を啜ったペッパーは、ため息を付いた。
何年経っても異常なほど仲が良い親友夫婦に、『マンネリ』という言葉は似合わない。首を傾げたナターシャは、聞くだけ損かしら…と思いつつも尋ねた。
「あら?倦怠期?」
『倦怠期』という言葉にペッパーは肩をすくめた。
「そうじゃないの。トニーのS○Xは最高よ。何年経っても毎晩ドキドキするし、それに一日中して…」
隣に座らせた娘がじっと自分を見ていることに気付いたペッパーは、慌てて口を閉じた。
(毎晩…しかも一日中…。この二人に倦怠期なんてなさそうね)
心配して損したわ…と、目をくるりと回したナターシャだが、ペッパーは想定外なことを言い始めた。
「だからね…その…。私が彼にしてあげることが、毎回マンネリ化しているというか…」
要するに、夫に刺激を与えたいらしい。彼女の性格からすると、自分たちのように突拍子のないことはしていないだろう。
そういうことは任せてとばかりに、ニヤリと笑ったナターシャは携帯を操作すると画面をペッパーの前に掲げた。
目の前の画面を凝視していたペッパーだが、しばらくすると真っ赤な顔をして飛び上がった。
「『あなたから仕掛ける10の前戯』…な、何これ?!」
目を白黒させているペッパーだが、ナターシャはご丁寧にもウインクをすると、携帯をペッパーに押し付けた。
「いいから!これでスタークを楽しませてあげて?」

♥︎ ♥︎ ♥︎

その夜。
娘を寝かしつけたペッパーは、そのまま寝室へ向かおうとしたが、昼間のナターシャの言葉を思い出し、バスルームへと駆け込んだ。
用意していた下着に着替えたペッパーは、ミント風味のマウススプレーをするとそのまま寝室へと向かった。

寝室のドアが開く音がし、ベッドにひっくり返っていたトニーが振り返ると、どこが隠れているのかと思うよう下着を身に付けたペッパーがドアに寄りかかっていた。
「ハニー…どうしたんだ?」
子供ができてからはあまり見ることのなかったセクシーすぎる妻の下着姿。ポカンと口を開けているトニーに微笑みかけたペッパーは、身体をくねらせながらベッドに近づいた。
「今日はね、昔みたいしてあげるわ」
あんぐりとしていながらもギラついた目をしているトニーの身体の上に跨ったペッパーは、Tシャツを脱がせると胸元にキスをした。
ミントの効果だろう、ひんやりとした感触にブルっと身体を震わせたトニーのズボンに手を入れたペッパーは、下着に指を滑らせた。
「ハニー、いつも以上に最高だ…」
いつもと変わらぬ極上の指使いに息の上がり始めたトニーは、まだ胸の先端を舌で愛撫している妻の頭を抱え込んだ。

トニペパ未来編。

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