「声、出すなよ?」
背後から抱きかかえたペッパーの口元を覆ったトニーは、耳朶を甘噛みすると腰をぶつけ始めた。
身体を揺さぶられたペッパーは壁に手を付くと、漏れ出そうな声を必死で飲み込んだ。
いつもなら『もっと聞かせろ』と言うトニーだが、状況が状況だけに、さすがにそんなことは言えない。
そう、ここは自宅でも二人きりのホテルでもなく、パーティー会場。正確には、この後表彰されるトニーの控室…それも会場のすぐ横の小部屋なのだから、下手に大きな声を出せば明日のゴシップ紙の一面は、愛し合っている二人の写真になることは目に見えている。
パーティーが終わるまで我慢すればいいのだろうが、闘いの場から会場に直行してきたトニーはいわゆる興奮状態にあったわけで…。
「おい、ジャーヴィス。ちゃんと見張ってろよ」
ドアの前に置いているアーマーに声を掛けたトニーは、欲望のままに果てぐったりとしたペッパーの身体を抱きかかえると、ソファーに押し倒したのだった。
所構わず襲いかかる社長