04.上達しない料理

日曜日。先に目が覚めたトニーは、朝食を作ろうとキッチンへと向かった。だが、彼には問題が一つだけあった。それは、料理が全くと言っていい程できないと いうこと。

「何でも出来るのに、どうして料理だけは上達しないの?」
しばらくして起きてきたペッパーは、トニーが苦労して作った朝食をチラリと見るとコーヒーに手を伸ばした。
「私が作らなくても、君が上手いからいいんだ」
ペッパーですら滅多に着けない花柄のエプロンを着けたトニーはなぜかドヤ顔。
(そういうことじゃないと思うけど…)
ため息を付いたペッパーは、頭を抱え込んだ。
「それって、上手くなろうという気がないんでしょ?どうするのよ、子供が出来たら。その子はきっと言うわよ?『パパは何でも出来るから、何々作って!』っ て…」
一瞬考え込んだトニーだったが、ふんっと鼻を鳴らすとエプロンを外しカウンターの上へ放った。
「その時はその時だ。私に不可能はない。なぜなら私はトニー・スタークだからだ。それに、君は下手だというが、パンケーキは美味いだろ?」
目の前の皿には、こんがりきつね色のパンケーキ。熱々のパンケーキの上にはバターとはちみつがたっぷりと掛けてあり、食欲をそそる匂いが立ち込めている。
「えぇ、パンケーキだけはね」
カウンターの上にある大量の黒焦げの物体を見たペッパーは眉を釣り上げたが、気付かぬふりをするとにっこりとほほ笑んだのだった。

同棲5題。拍手お礼

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