05.一緒にお風呂

「トニーったら!もう行くわよ!」
ラボの入口で金切り声を出しているのはペッパー。綺麗にドレスアップした彼女は、イライラと壁の時計を見つめた。
今日はチャリティーイベントの一環でクラッシックのコンサートがあるのだが、朝からラボへ籠っているトニーはなかなか階上へ姿を見せず、しびれを切らしたペッパーはこうして催促しているのだが…。
コンサートの開始まで後30分。ちなみに家から会場までは急いでも40分はかかる。
先に一人で向かってもよかったのだが、会場の入り口で待ち構えるマスコミのことを考えると、とてもじゃないが一人で行こうとは思わない。だから『もう少し待ってくれ』というトニーの言葉に足止めされて、結局こんな時間になってしまったのだ。
どちらにしろ今から用意をしても間に合わない。
(この埋め合わせは絶対にしてもらうわよ)
頬を膨らませたペッパーは息を吸い込むと、とっておきの言葉をトニーに向かって叫んだ。
「もういいわ。間に合わないもの。だから、私はお風呂に入って寝るわ!一緒にどうかしらと思ったけど、あなたはアーマー作りが楽しそうだから、一人で入るわね!」
ペッパーの言葉にピタっと動きを止めたトニーは入口を振り返ったが、すでにペッパーの姿はなかった。
「入る!待ってくれ!」
ジャーヴィスにデータを保存するように命じたトニーは、慌ててペッパーの後を追いかけたのだった。

同棲5題。拍手お礼

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