ペッパーの中の方の誕生日SS。
EG後に出したトニペパ本”Love Of My Life…”の”I Love With Mr.Stark.”のお話となっています。
ハリウッドAUで、トニーはベテラン人気俳優、ヴァージニアは駆け出しの女優で、共演したことで恋に落ちて結婚するというお話です。
結婚後は、モーガンとレニーという双子が生まれたという設定となっています。
♥ ♥ ♥
「今日はな、ママの誕生日なんだ」
朝食後、大惨事となっている双子の口の周りを拭きながら、トニーは娘と息子に告げた。
「だから、ママが腰を抜かして驚くようなサプライズを仕掛ける。いいな?」
真剣な眼差しの父親に、不思議そうな顔をしていたモーガンとレニーは、顔を見合わせた。パパは嬉しそうだから、きっと楽しいことがあるに違いないと考えた双子は、一斉に声を上げた。
「「だった!!あうー!まぁま!」」
何やら必死に訴える双子に、うんうんと頷いたトニーは二人を抱き上げた。
「そうだ。サプライズだ。ママはパパのサプライズが死ぬ程好きなんだ。だから泣いて喜ぶぞ」
ククッと笑ったトニーは、まずは双子を着替えさせようと子ども部屋へと向かった。
ヴァージニアは朝から彼女のマネージャーであるマリア・ヒルと共に、打ち合わせに出かけた。もうすぐ仕事復帰するため、次作の台本の打ち合わせなのだが、わざわざ今日なのはトニーが仕組んだことだ。台本の打ち合わせ後は、ランチを食べ、美容院に行くと言っていたので、16時過ぎには戻ってくるだろう。
双子を着替えさせると、早速イベントプランナーと花屋がやって来た。トラック一杯のバラの花を次々と運び入れた花屋は、トニーの指示通りにプランナーと共にあちこちを飾り始めた。
双子に昼食を食べさせ、昼寝をさせる頃には、部屋がバラだらけになった。トニーが満足げに部屋を見渡していると、今度は注文していたケーキが届き、馴染みのシェフがディナーの用意をし始めた。
小一時間程すると、双子が目を覚ましたので、洋服を着替えさせていると、マリア・ヒルからメールが届いた。
『これから戻ります』
「よし、モーガン、レニー。出番だ」
自分も手早く着替えたトニーは、双子を抱きかかえるとリビングへと向かった。
「ただいまー」
帰宅したヴァージニアは、朝とは様変わりした家に腰を抜かしそうになった。
バラの花が大量に飾られ、派手な装飾があちこちに見られるではないか。その中に”Happy Birthday!”と書かれたものを見つけたヴァージニアは、今日が自分の誕生日であることをようやく思い出した。
すると双子の声が聞こえた。
「まー!」
「まぁま!!」
競うようにハイハイしてやって来た双子は、母親の元に辿り着くと可愛らしい笑みを浮かべた。
「モーガン、レニー、ただいま」
抱き上げると二人は必死でお喋りを始めた。
「パパと遊んだの?楽しかった?」
相槌を打っていたヴァージニアだが、双子がそれぞれ”We Love” “Mommy❤️”というTシャツを着ていることに気づいた。
と、そこへトニーがやって来た。
「おかえり、ジニー」
トニーもTシャツを着ていたが、何とヴァージニアの顔がプリントされたものを着ているではないか。
「どうしたの、そのTシャツ?!」
目を丸くしているヴァージニアに、トニーは澄まして答えた。
「作った。愛する妻の誕生日なんだ。いいだろ?」
そう言ってくれるのは嬉しいが、そんなにデカデカとプリントされていると、恥ずかしい気もする。頬を赤く染めた妻にキスをしたトニーは、モーガンを受け取った。
「誕生日おめでとう、ヴァージニア。ささやかだが、パーティの準備をしてるんだ。初めて家族4人で祝う君の誕生日だしな」
「ありがと、トニー」
夫の唇にキスをしたヴァージニアは、トニーの手を取った。
が、彼女は忘れていた。トニー・スタークがサプライズ好き…しかも、ヴァージニアを驚かせることが特に好きであるということを…。
部屋中を埋め尽くしたバラは序の口だった。シェフ付きのフランス料理のフルコースは、クラッシックの生演奏付き、デザートには巨大な特製のケーキが登場した。双子を寝かせた後、バスルームに向かうと、バスタブにはバラの花びらが浮かんでおり、シャンパンまで用意してあった。勿論トニーが乱入してしたので、バスタブで愛し合った後は、ベッドの中で一晩中愛を囁かれた。日付けが変わる前に、トニーは誕生石であるサファイアの煌めく指輪をプレゼントしてくれた。そして再び愛し合い…。
こうしてヴァージニアは、結婚後初めてのサプライズだらけの誕生日を満喫したのだが、来年はもっと驚くような仕掛けをしようと、トニーは目論んでいたとか…。