I love you 3000… Ⅱ ⑤

ルームサービスでランチを食べ終わると、モーガンは眠たいとぐずり出し、昼寝をし始めた。

「寝たのか?」
「えぇ」
頷いたペッパーは、リビングでテレビを見ていたトニーの横に座った。
ランチの後は、パレードを見に行く予定だったが、また炎天下の中戻ってもモーガンが愚図るだけだ。そこで、もう少しゆっくりして、夜のショーを見に行くことになったのだが、ペッパーは先ほどのバスルームでのことを思い出した。
「そうよ!さっきお風呂で!」
突然頬を膨らませた妻に、トニーは首を傾げた。
「何が?」
「モーガンがいるのに!」
ぷりぷり怒り出したペッパーだが、そんな妻も愛おしくてたまらなくなったトニーは、彼女を抱きしめるとキスをした。
「いいだろ?一緒に風呂に入るのも久しぶりだったんだし…」
トニーは入院していたし、確かに一緒に入浴したのも久しぶりだ。
「退院してから…いや、結婚記念日以来、君とセックスしてない。つまり、3ヶ月以上もしてないんだぞ?」
記念日の数日後、トニーはあの戦いの場に出向いてしまった。最後に身体を重ねたのは、記念日の夜だったので、トニーが言うことには一理ある。しかも入院中はそれどころではなかったし、一週間前に退院したが、モーガンがずっと一緒に眠っているため、2人きりになることは殆どなかった。

子供のように頬を膨らませたトニーに、クスクス笑ったペッパーだが、彼女も夫のこと温もりが恋しくなっていたのは確かだ。
そこでトニーの膝の上に座ったペッパーは、甘えるように夫の首元に腕を回した。
「あの子…2時間は起きないと思うわ…」
耳元で囁くと、トニーはペッパーに甘ったるいキスをした。
「2時間あれば十分さ…」
ペッパーを抱き上げたトニーはモーガンが眠っていない方の部屋へ向かった。

キスをしながらトニーはペッパーをベッドに寝かせた。お互い服を脱ぐと、部屋はリアクターの光でほんのりと青く染まった。
「先に言っておくが…右手はあまり使えないからな。やはり、自分の手のようには動かない。もっと改良が必要だ」
少しだけ悲しそうに笑ったトニーは右手を見た。

数日前に作った義手。
右肩から切断された自分の腕の代わりとなった義手は、トニーが持っている最新の技術を集結させたもので、Mark1と名付けられた。
脳からの信号を受信して、トニーの思うがままに動くのだが、やはりまだ動きはぎこちない。

ペッパーはリアクターに触れた。
再び彼の胸元で光り始めたリアクター。リアクターと、そして彼の右の胸元まで覆うように張り巡る金属は、今や彼の一部となった。
金属と皮膚の境目を撫でたペッパーだが、首を振った彼女はリアクターに顔を擦りよせた。
「あなたが愛してくれる…、それだけで私は十分よ…」

⑥へ…

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