He’ll be with you. (ペッパー誕生日 2018年)モーガンおじさん編

「ジニー!おめでとう!!」
帰宅するや否や、ド派手はファンファーレと共にクラッカーのシャワーを浴びたペッパーは、玄関で立ち止まると溜息を付いた。
「来るなら連絡してって、何度も言ってるでしょ?」
紙吹雪を払いながらペッパーは、拍手をしている男性を軽く睨みつけた。彼はペッパーの叔父であるモーガン・ポッツ。風来坊のモーガンは、いつもどこにいるのか分からないのに、ペッパーの誕生日になると、何処からともなくやって来るのだ。それも連絡もなく突然。
「言えばサプライズにならない。知ってるだろ、俺が…」
「おじさんは、三度の飯よりサプライズ好き」
遮るように告げる姪っ子に、モーガンはそうだというように、満足そうに頷いた。

ペッパーが就職してから続くこのサプライズパーティー。内心ペッパーも楽しみにしているので、彼女も誕生日には必ず定時で帰るようにしているのだ。が、それをモーガンに告げると調子に乗るのは目に見えているので、ペッパーは自分だけの秘密にしていた。

「しかし、一体いつになったら、お前と誕生日を祝ってくれる奴が現れるんだろうな」
モーガンの言葉にペッパーは顔を曇らせた。
共に祝いたい相手はただ1人。だが、一番近くにいるのに思いは届かず、もう何年も経ってしまっている。
姪っ子の様子にしまったとモーガンは鼻の頭を叩いた。
「で、あいつは何もくれなかったのか?」
「誰?」
「お前のボスの…」
「トニーのこと?彼は私の誕生日を覚えてないわよ。自分の社会保障番号すら覚えてないような人だから」
と、ペッパーがクスクス笑い出した。
「その代わり、好きなものを買えって言われてるから、彼のお金で欲しい物を買うのよ。今年は今度のパーティで着るドレスを買ったの」
そう言うと、ペッパーは嬉しそうに表情を和らげた。
「形はどうであれ、彼からのプレゼント」
姪っ子の様子からモーガンは悟った。彼女はトニー・スタークのことが好きなのだと。いや、正直なところ、もう何年も前から気づいていた。が、トニー・スタークは女癖が悪いという噂しか聞かない。だから彼女の思いが通じても、彼女は決して幸せにはなれないだろう…。
(どうか来年も、ジニーは俺と誕生日を過ごしていますように…)
モーガンは祈った。可愛い姪っ子が不幸になりませんように…と。といっても、ここ数年の願いは、専ら同じなのだが…。

が、翌年。
誕生日まで数日となったある朝、モーガンの元に、ペッパーから電話がかかってきた。今年は友達と誕生日パーティーを開くことになったというのだ。
「そうか。分かった。だが、機会を伺って突撃するからな」
笑いながら電話を切ったモーガンは、新聞に目を落とした。今朝の一面を飾ったのは、トニーとペッパーが昨晩のパーティーでキスをしている写真と、数ヶ月前から付き合っているという公式のコメント。
「良かったな、ジニー。幸せになれよ」
写真のトニーを指で弾いたモーガンは、先程買ってきた他の新聞もチェックしようと、コーヒー片手に椅子に座り直した。

***
IM1のアフガニスタンの事件前の誕生日設定。モーガンおじさんは、IWでの会話に登場した、あの風変わりなペッパーのおじさん。

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