A boy who came from the future.③

翌日。
ペッパーは仕事に向かったため、トニーはモーガンを連れてラボに降りて行った。
開発中のアーマーを目を輝かせて眺めているモーガンに、2人きりの今ならば、彼が来た理由を話してくれるかもしれないと、トニーは考えた。
「なぁ、モーガン。何か話したい…」
「父さん、あれって…」
余程話したくないのだろうか、モーガンは話を遮るように、カスタマイズ中のビンテージカーに駆け寄った。やれやれと首を振ったトニーは、食い入るように見ている息子の髪をくしゃっと撫でた。
「好きなのか?」
「うん!」
顔を上げたモーガンの瞳はキラキラ輝いており、息子の反応が嬉しくなったトニーは、思わず顔を緩めた。
「よし、じゃあ、手伝ってくれ」

少し早めに帰宅したペッパーだが、トニーとモーガンの姿はリビングにはなかった。
「F.R.I.D.A.Y.、トニーとモーガンは?」
『はい、ラボで車のカスタマイズに熱中されています』
となると、2人は朝からラボに篭っているのだろう。
トニーの大好物のドーナツを作ったペッパーは、きっとモーガンも喜んでくれるという妙な確信を胸に、ラボへと降りて行った。
「もしかして、母さんの手作りドーナツ?!」
予想通りと言うべきか、ドーナツを見たモーガンは、飛び上がった。
「そうよ。トニーの大好物だから、あなたも好きかしらと思って」
「母さんのドーナツって、本当に美味いんだよね!」
パクパク食べ始めたモーガンは、隣で同じようにドーナツを頬張っているトニーそっくりだ。
「本当に親子なのね」
モーガンは髪の色と鼻の上にあるそばかすこそペッパーから受け継いでいるようだが、顔も何気ない仕草もトニーそっくりなのだ。トニー曰く『性格は母親の方もしっかり受け継いでいるようだ』なのだが…。
クスクス笑い始めたペッパーは、この光景は20年経っても変わっていないのかしらと思い、モーガンに聞いてみることにした。
「ねぇ、20年後のトニーも、相変わらずなの?」
と、モーガンが顔を曇らせた。
「どうしたんだ?」
急に手を止めた息子に、トニーもペッパーも眉を潜めた。
「ううん、何でもない。父さん?父さんは相変わらずさ。母さんにいつも怒られてるよ」
何処と無く引きつった笑いを浮かべたモーガンだが、話題を変えるように、父親との車のカスタマイズの様子をペッパーに話し始めた。
(何とかして聞き出した方がいいな)
そう感じたトニーは、未来から来た目的を明日にでも聞き出そうと決意した。

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