A boy who came from the future. ②

こうして、未来から来た息子との奇妙な生活が始まった。が、息子だと言われても実感が湧くはずはない。そのため、初日の夕食はどこか他人行儀で、会話らしい会話ができなかった。それでも会話の糸口を探そうと、ペッパーは差し障りのない会話を持ちかけた。
「着替えは持って来てるの?」
「ううん。持ってくるの、忘れた」
ペッパーの手料理をパクパク食べながら、モーガンはあっけらかんと答えた。どれくらい滞在するつもりなのか知らないが、普通は旅行の準備してくるものじゃないの?と、思わず頭を抱えたペッパーだが、トニーの息子らしいといえばそうなのかもしれない。
「じゃあ、明日にでも必要な物を買いに行きましょ?」
が、その言葉にトニーはしかめ面をした。
「おい、ペッパー。それはやめておけ」
眉を吊り上げたトニーに、モーガンは同意するように頷いた。
「そうだよ、母さん。俺が母さんと出掛けてマスコミに写真を撮られでもしたら、面倒くさいじゃん」
同じような顔をしている父と息子に、やっぱり親子なのねと感心してしまったペッパーだが、トニーはトニーで、冷静な判断ができるところはペッパーそっくりだなと考えていたとか。

結局、背格好が同じくらいということもあり、モーガンはトニーの服を借りることになった。
シャツやTシャツにジーンズを何組か手渡したペッパーだが、その中の1枚のTシャツにモーガンは目を留めた。
「あ、これ…」
それはトニーがよく着ていたブラックサバスのTシャツ。そのTシャツを見た途端、モーガンは目を潤ませたのだ。
「どうしたの?」
泣き出しそうになった息子に、不審に思ったペッパーだが、モーガンはさっと笑みを作った。
「ううん、何でもない。これ、父さんがよく着てたから…」

「ねぇ、トニー。あの子、何か理由があって、この時代に来たんじゃないの?」
2人きりになった寝室で、ベットに潜り込んだペッパーはトニーに尋ねた。
「それも、良い事ではないだろうな」
ペッパーを抱き寄せながら答えたトニーは小さく唸った。良い事ではない…つまり何か悪い事が起こると警告しに来たのだろうし、それはおそらくトニーに関わる事。
「大丈夫さ、ハニー。それにあいつが自分から話をするまで待とう」
そうね、と頷いたペッパーにキスをすると、トニーは彼女を押し倒した。

③へ…

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