Kiss the Teacher~春編4

彼女が作った料理を食べながら、二人で他愛もない話をしたり映画を見たり…。そして日が暮れる前にペッパーは帰ってい く。普通ならせっかくの休日。どこかに出かけるのだろうが、誰に見られるか分からないため、二人で手を繋いで歩くことすらできなかった。それでもトニー もペッパーも幸せだった。

何度目かの週末。
キッチンで料理を始めたペッパーの後姿を見ていたトニーは、リビングのソファーに座り理性と格闘していた。
まだ子供のようなキスしかしていない二人。ギュッと抱きつかれるたびに、甘い口付けをされるたびに、彼女の甘くそそるような香りを吸い込むたびに、何度も押し倒し自分だけのものにしたいと思ったことか…。だが、彼女は自分の現役の教え子。ここで手を出せば…。

ソファーに座り、眉間に皺を寄せて考え込んでいるトニーをペッパーは不安そうに見つめた。
(どこか、具合が悪いのかしら?私にできることはないかしら…。あ、忘れてたわ。早くあのことを言わないと!)
コンロの火を止めたペッパーは、トニーのそばに歩み寄った。だが、いつもなら気付くトニーが全く気付かない。
「先生?どうしたの?」
ペッパーの声に顔をあげたトニーは、不安そうな彼女の顔を見て、無理やり笑顔を作った。
「いや、何でもない。少し考え事をしていた。どうかしたか?」
「ううん、あ、あのね。相談なんだけど…。今日ね、パパとママがいないの…。家に帰っても一人だから…。だから…泊まってもいい?」
悪意はないのだろうが、小首を傾げながら甘えたように言うその言葉に、トニーの理性は崩れ落ちた。

トニーはペッパーの手を引っ張り、腕の中に閉じ込めた。
「せ、先生?」
突然抱きしめられ、ペッパーの心臓は激しく鼓動を打ち始めた。だが、トニーの胸元に頭を押し付けるように抱きしめられたペッパーの耳に、彼のいつもより早い鼓動が聞こえた。その音にペッパーはそっとトニーの顔を見上げた。
「ペッパー…愛してる…。すまない…もう我慢できないんだ…」
切なそうにペッパーを見つめていたトニーだったが、ペッパーの頬を掴むと、想いを込め甘く熱いキスをし始めた。
今まで経験したことのないような激しいキスに、ペッパーは頭が真っ白になった。トニーの舌は口腔内に侵入し、逃げ惑うペッパーの小さな舌を捕まえ離そうとしない。

やがて、キスに酔ったペッパーは、トニーの背中におずおずと手を回した。

甘い吐息と共に唇を離したトニーは、ペッパーの首筋に唇を這わせた。
「君が欲しいんだ、ヴァージニア…。いいか?」
その声にお腹の奥がキュッと疼いたペッパーは、トニーに抱きつき小さく頷いた。
「…先生?わ、私…初めてなの…。だ、だから…」
まだ見ぬ世界に飛び込もうとしているペッパーは震えていた。その小さな背中を優しく撫でながら、トニーはペッパーの期待に満ちた瞳をジッと見つめた。
「大丈夫だよ…ペッパー…。それに、こんな時くらい、名前で呼んでくれないか?」
トニーの視線に目を伏せたペッパーは、恥ずかしそうに呟いた。
「…と、とにー…」

トニーは、シャツの裾をギュッと掴んだペッパーの手を取ると彼女を抱き上げ、キスをしながら二階の寝室へと連れて行った。

4.5(R-18へ)
5へ…

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