ある日のこと。娘のエステファニアが突然、コンテストに出場すると言い出した。コンテストと言っても、ハイスクールの文化祭での美人コンテスト。そんなものに元々興味はないエストだったが、友達に担ぎ出され、段々本人も乗る気になったらしい。母親であるペッパーには出場を決める前から相談していたエストだが、父親であるトニーには相談していなかった。何事も真っ先に父親に相談するエストにしては珍しいことだが、おそらく父親は『出場しろ』と大賛成すると思っていたのだが……。
だが、予想外にトニーは猛反対。
「エストはママに似て美人だから優勝するに決まってる!優勝したら、変な男が付きまとうだろ!大事な娘を変な奴にはやれん!」
優勝し、その後のことまで妄想し始めた父親に、エストはやれやれと溜息をついた。
「大丈夫よ、パパ。私、パパみたいな人じゃないと付き合わないから。それに、コンテストで優勝したから寄ってくるオトコなんて、ろくな奴じゃないわ」
娘の言葉に顔を輝かせたトニーは、急に元気を取り戻した。
「そ、そうか!それならお前が優勝するように、パパは協力するぞ!まずはスタイリストだろ…。衣装は決まってるのか?」
「パパったら…。たかだかハイスクールのコンテストなのよ?」
「お前は着飾らなくても十分美人で魅力的だが…。そうだ、優勝したら何でも買ってやるぞ!」
「ホント?!」
「あぁ。せっかくだ。パパとエストと2人でパリにでも行くか?」
「パパ、大好き!愛してるわ!」
父親に抱きつき頬にキスしている娘と、娘にキスされデレデレと鼻の下を伸ばしているトニーを見ながら、エストに恋人が出来るのはまだまだ先の話ねと、ペッパーは溜息をついたとか…。