On Your Side Forever④

数日後。その日はチャリティーパーティーだったのだが、酔い潰れたヴァージニアはキリアンと数人の男達に支えられるように帰ってきた。
「ミス・ポッツは酷く酔っておいでですから、今日はお引き取り下さい」
何故か悪い予感のしたトニーはキリアンたちを追い返そうとしたのだが…。
「大丈夫だ、スターク。お前は引っ込んでろ」
と、逆に家から追い出されてしまった。

翌朝、時間になってもヴァージニアは部屋から出てこない。不安になったトニーはドアをノックした。
「ミス・ポッツ。お時間です…」
何度ノックしても返事はない。何かあったのでは…と、そっとドアを開けるとヴァージニアはベッドの中で泣いていた。
「ジニー!」
思わず彼女の幼い頃の呼び名を叫ぶと、起き上がった彼女はボロボロと大粒の涙を零しているではないか。それに、彼女は酷い状態だった。腫れ上がった顔、体中に残る痣と傷、手首に残る手錠の跡…。
彼女に何があったのか瞬時に悟ったトニーは、顔色を変えた。

「トニー…」
か細い声と共に腕を伸ばした彼女を抱きしめると、ヴァージニアは声を上げて泣き始めた。
「あなたの言う通りだったわ…。あいつ…私のことを…」
子供のように泣き続ける彼女は酷く幼く見え、トニーは彼女が小さい頃のように、ギュッと彼女を抱きしめた。
「しー、ジニー。大丈夫だ。もう大丈夫だから…」
ゆっくりと背中を撫で続けると、ヴァージニアは次第に落ち着きを取り戻した。
恐れていたことがついに起こってしまった。彼女を傷つける奴は、誰だろうと許さない…。
「あなたのことは私が絶対に守ります」
怒りに震えるトニーは、その日一日中彼女のことを抱きしめ続けた。

その日から、トニーはひと時もヴァージニアのそばを離れなかった。まるで彼女を全ての物から守るように…。
夜になると、ヴァージニアはうなされ目を覚ました。眠れない彼女がリビングに向かうと、トニーがいた。いつもは自宅に帰るトニーだが、あの事件以降、彼はヴァージニアの家に寝泊まりしていたのだ。
「眠れないの。そばにいて?」
そう告げると、トニーはヴァージニアが眠るまで手を握り続けた。

いつも温かく、そして優しく包み込んでくれるトニーの存在は、ペッパーの心の拠り所になっていた。
そしてヴァージニアは、長年心の中にあった自分の本当の気持ちに気づいた。
(そうだわ…。私…トニーのことが…好きなのよ…)
幼い頃から彼は憧れだった。知的でユーモアに富み、優しさに溢れた彼は、一人っ子だった自分にとって、兄のような存在だった。
それが男性として意識するようになったのは、数年前。大学入学と同時に、家を出て世間に飛び出したヴァージニアは、トニー以上の男性は見つけることが出来なかった。誰と会ってもトニーと比べてしまうのだ。彼のような男性に出会おうと、大勢の男性と関係を持ったが、誰一人として心を満たしてくれなかった。
自分の恋心をようやく認めたヴァージニアだが、彼は自分のことをどう思っているのかが分からない。
自分のそばにいても、昔から彼は数多の女性から羨望の目で見られているのは知っている。だが、女性にもてるのに、浮いた話は1つもない。両親は見合いを勧めていたが、彼は頑なに断っていた。そしていつしか両親も見合い話を持ってこなくなった。
(もしかして…トニーも私のことを…)
だが確証はない。それに否定された時のことを考えると、ヴァージニアは怖くて聞けなかった。

⑤へ…

1人がいいねと言っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。