150. Tipsy 

「誰だ、こんなに飲ませたのは…」
背後から聞こえてきた声の持ち主は振り返り確認する必要はないだろう。
お迎えが来たわねと溜息を付いたナターシャは、営業用スマイルを作るとくるりと振り返った。
「あら?久しぶりの女子会なの。いいでしょ?」
「女子会?」
ふんっと鼻を鳴らしたトニー・スタークは、眉を吊り上げた。
「だからと言って、こんなに飲ませて言い訳ないだろ?ほろ酔いくらいにさせておけ。変な男に捕まったらどうするんだ」
腕組みしたトニーは恐ろしい程の形相でナターシャを睨み付けたが、そのナターシャの隣で酔いつぶれ眠っているペッパーには、見たことがないような優しいまなざしを向けた。
(あーあ、まただわ…)
いつもこうなのだ。女同士仲良く飲んでいても、ペッパーがほろ酔いを通り越した頃になると、どこからともなくトニーが現れ連れて帰るのだ。
目をクルリと回したナターシャは、「はいはい」と呟くと、さっさと連れて帰ってというように道を開けた。
起こさないよう気を使っているのか無言でペッパーを抱き上げたトニーは、むにゃむにゃと顔を摺り寄せているペッパーにキスをしながらその場を後にした。

2 人がいいねと言っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。