131.Map

「宝探し?」
「うん!ようちえんでね、たからさがししたの。だからね、パパもたからさがししよ?」
長男からの可愛らしい提案に、トニーは口元を緩めた。
「これ、たからのちずね」
手渡されたのは、彼お手製の地図。
「みつけたらおしえてね」
と言うと、エリオットはパタパタと走って行った。

息子を見送ったトニーは地図を開いた。目指す場所はどうやらキッチンのようだ。
果たして息子は一体何を隠したのだろうか。
頭を掻きながらキッチンへ向かうとペッパーがいた。
「どうしたの、トニー?」
紙切れを手にキョロキョロしているトニーに、夕食の用意をしていたペッパーは尋ねた。
「エリの宝の地図だ。宝の場所はここになってるんだが…」
トニーの手元の紙覗き込むと、そこにはキッチンらしき図と大きなハートマークが書かれていた。キッチンにあるもの…それはつまり、『ペッパーが宝物』ということなのだろう。瞬時に理解したトニーは、まだ不思議そうな顔をしているペッパーを抱き寄せた。
「君が宝ということらしい。一本取られたな」
目を丸くした妻の唇を奪うと、息子は冷蔵庫の陰に隠れてニヤニヤしているではないか。眉を吊り上げたトニーは、小さく舌を出した息子に向かってピースした。

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