129. Campus

トニー・スタークは真っ白なキャンパスの前に座り込んでいた。もう何時間も…。
「トニー、無理なものは無理と言った方がいいわよ?」
彼の横でため息を付くのは恋人であるペッパー・ポッツ。ちなみに彼女もこの数時間、ずっと座ったままだ。
「だが、私の絵が欲しいと言われたんだ。私はアート収集は好きだが、絵を描くのはどうも苦手だ。だが、どこをどう間違ったのか、私は絵が上手いということになっているらしい。だからMITが新校舎に飾る絵を描いてくれと頼んできた。つまり、私は何でもできると思われている。だから今更絵は描けないとは言えないだろ?」
ふんっと鼻を鳴らしたトニーは筆を取ったが、やはり無理だったようだ。数秒後には筆を放り投げてしまった。
「でも、描けないんでしょ?それに下手な絵を贈っても、向こうも困るでしょ?」
何か考えているのか目を閉じ返答しないトニー。
やっぱり断りましょう…とペッパーは携帯を取り出したが、いいアイデアを思いついたのだろう、パっと目を開けたトニーは顔を輝かせた。
「そうだ!こうしよう!ペッパー、君のヌードなら描ける気がする!毎晩見てるからな!よし!そうしよう!」

「アンソニー・エドワード・スターク!!!!」

何がいいアイデアなのだろうか。
顔を真っ赤にして叫ぶペッパーの怒鳴り声に、青くなったトニーは彼女から携帯を取り上げると、慌てて断りの電話をかけ始めた。

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