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トニー・スタークは人気者だ。
ビジネス方面ではもちろんのこと、マスコミや女性にも絶大な人気を誇る彼は、連日何らかの形でメディアに登場するほどだった。
その人気層が一気に広がったのは、彼がアイアンマンと名乗った後。そしてあのNYでのアベンジャーズの活躍の後、その人気はますます加速していった。

「はい、また届いてたわよ」
分厚い手紙の束を受け取り、パラパラと何通かに目を通したトニーは顔を顰めた。
「おい、私が入院中なのは極秘事項ではなかったのか?」
軽く咳き込んだトニーは手紙の束を枕元に置くと、深呼吸をした。
「えぇ、極秘事項よ。あなたがリアクターを取る手術を受けたことも、無事退院できたのにはしゃぎすぎて風邪をこじらせて入院する羽目になったこともね。でもあなたは人気者ですもの。残念ながら入院してるという情報は、その日のうちにニュースになってたわよ」
ニッコリと笑ったペッパーに、トニーは口を尖らせた。
「悪かった。羽目を外しすぎた。まさかプールに落ちて風邪を引くとは予想外の事態だった」
しょんぼりと頭を垂らすトニーは可愛らしく、彼の頬を撫でたペッパーは別に仕分けておいた数枚の手紙をトニーに渡した。
「人気者のあなたのこと、みんな待ってるわよ。だからしっかり養生してね」

手渡された一番上には、画用紙いっぱいにのびのびと子供らしい絵と文字で書かれた手紙。
『おうちがこわれちゃったけど、がんばってね、アイアンマン!』
アイアンマンとそしてトニーらしき人物の横には、ペッパーだろうか、髪をポニーテールにした女性が描かれている。そしてその男女の間には、ご丁寧にも大きなハートが描かれているではないか。

「なぁ、ハニー。人気者は私だけではないようだ。どうやら私たちの仲は子供たちにも周知されているらしい」
ニヤリと笑ったトニーは頬を赤く染めたペッパーの手を取ると、その甲にそっと口づけした。

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