11月19日 世界トイレの日

11月19日 世界トイレの日

「ペッパー…私は死ぬかもしれない…」
恨めしそうに呟いたトニー・スタークは口元を抑えるとトイレに屈み込んだ。
具合の悪そうなトニーなのに、彼の秘書であるペッパー・ポッツはドアの隙間から白けた目で見つめている。ボスの心配をしない薄情者だと思うかもしれないが、これにはちゃんと理由があるのだ。

「大丈夫です。死にはしません。二日酔いですから」
道理で心配していないはずだ。気分不良なのは二日酔いのせいなのだから…。
呆れたように目をクルリと回したペッパーは、ドアの隙間からアドビルを差し出した。
「ポッツくん…私は具合が悪いんだぞ?それなのに君は優しい言葉の一つも掛けられないのか?」
薬を受け取ったトニーは水と共に流し込んだのだが、ちっとも心配していない秘書に向かって不満げに唸った。
だがペッパーも負けてはいなかった。トニーの秘書になって半年足らずの彼女だが、すっかりお馴染みになったこの光景に毎回甘い顔をする程、彼女も馬鹿ではなかった。
「あなたが二日酔いの度に優しい言葉を言っていたらキリがありません。それに自業自得です。一昨日も同じことを言われてたではありませんか。あの時誓ったはずです。もう二度と飲みすぎないと…」
「そんなことは…」
『誓っていない』と反論しようとしたトニーだが、再びトイレに屈み込んだ。
そっとドアを閉めたペッパーは、いつになったらこの光景を見なくて済むのかしらとそっと頭を抱えた。

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