来春配信開始のAvengers Academyというアプリゲーム。ヒーローたちのアカデミーでプレイするゲームらしいのですが、その予告編に出てくる掲示板に…
という美術のクラス参加申し込み用紙までもw トニペパとブルナタです。
ということで、こちらの画像のみから生まれたアカデミーAU話です。
***
ここはアベンジャーズアカデミー。
金持ちで天才、女子生徒から絶大な人気をほこるプレイボーイと名高いトニー・スタークが、優秀だが真面目でどちらかというと地味なペッパー・ポッツに好意を抱き、彼女を追いかけ回しているのは、アカデミーの七不思議の一つに数えられていた。そんな二人がどういう訳だか付き合い始めたのはほんの1週間前。トニーのあまりのしつこさに面倒くさくなったペッパーがとうとう陥落したとのもっぱらの噂だが、実際のところはトニーの一途な態度にペッパーが心底惚れてしまったということは、当の本人たちのみ知るところ。
そんなある日のこと。二人仲良く手を繋ぎ校内を歩いていると、掲示板の前に差し掛かった。
「あ、トニー、待って!」
何かに気づいたペッパーが、足早に通り過ぎようとしているトニーの手を引っ張った。
「何だ?」
掲示板には自分が貼ったスタークタワーでのパーティーのチラシがあるが、ペッパーの視線は別の物に向かっている。
「ルームシェアですって。ここならいいかも…」
首を伸ばすと、確かにルームシェアのチラシが貼ってある。
「ペッパー?部屋探ししてるのか?」
「えぇ。今の所が狭いから…」
どうして自分に言わないのだろう。付き合い始めてからペッパーは毎日のように家に来て泊まっているのに…。
「それならうちへ来い。部屋なら山ほどある」
「それって…」
(つまり…同棲ってこと?!)
真っ赤になったペッパーをトニーはニヤニヤしながら見つめている。
何とか話題を変えようと掲示板を見渡したペッパーの目に一枚のチラシが留まった。
「あ!美術のクラス!今日中に書いとかなきゃ!」
カバンからペンを取り出したペッパーは、サラサラと名前を書いた。確か美術のクラスは水曜日の午後のはず。そしてその時間はすでに申し込んでいる科学のクラスがある…。他の時間は全てペッパーと同じクラスを申し込んだのに、どうして水曜日の午後のこの時間はノーチェックだったんだろう…。
科学を取るか、それともペッパーを取るか…。
一人頭を悩ますトニーの気持ちなど知らないペッパーは、振り返るとニッコリ笑った。
「トニーは科学のクラスよね?水曜日の午後は…」
『別々になっちゃうわね』
と言いかけたペッパーだが、ペンをもぎ取ったトニーはペッパーの下に名前を書いた。
「トニー、あなた…美術は苦手って言ってたじゃないの…」
目を白黒させたペッパーはトニーの服を引っ張ったが、トニーはふんっと鼻を鳴らした。
「苦手?俺を誰だと思っている。トニー…」
「はいはい、トニー・スタークでしょ?」
ペッパーが目をくるりと回していると、そこへやって来たのはブルース・バナーとナターシャ・ロマノフ。
チラシに仲良く並んだ名前を見たブルースは、トニーは科学のクラスを一緒に受講するはずだったのに…と苦笑した。
「あれ?トニー。君も美術のクラスを受けるのかい?」
「あれでしょ?ペッパーが受けるから…」
呆れたように肩を竦めたナターシャと、笑いを噛み締めているブルースに、トニーは頬を膨らませた。
「違う。断じて違う!アカデミーの科学のクラスは退屈だ。俺は天才だからな!習うようなことはない。それに美術には昔から興味があった。それだけだ」
だが、いくらトニーが言い訳しても理由は見え見えだ。くすくすと笑う2人に居心地の悪くなったトニーは、無言でブルースにペンを差し出した。
「俺は科学でなく美術を取る。だからブルース、お前もそうしろ」
どうしてそういう展開になるのか分からない。だがおそらくトニーのことだ。美術が苦手なのが自分一人なのは嫌なのだろう。だから同じ美術が苦手なブルースを巻き込んでしまえというところだろうか…。
反論しようとしたブルースだが、トニーは大きな目を見開き自分を睨みつけてくる。その有無をいわせぬ目力に陥落したブルースは、トニーの下に名前を書いた。
「ブルースも美術を取るの?じゃあ、私も。水曜日の午後は暇なのよね」
ブルースからペンを奪い取ったナターシャは、自分も名前を書き始めた。
「ナターシャ、あなた去年もこのクラス取ってたじゃないの?」
同じクラスを受講しても成績には何の影響もないのに、どうして受けるのかしらとペッパーは不思議そうな顔をしている。
「だって、面白そうじゃない」
あっけらかんと言い放ったナターシャは、ペッパーにペンを返すと3人にクルリと向かい合った。
「ねぇ、これからスティーブの演説があるの。今度の委員長選挙の。面白そうだから聞きに行かない?」
真面目で堅物なスティーブ・ロジャースをからかうことに楽しみを見出しているトニーはすぐに食いついた。
「そうだな。キャプテンをからかってやろう」
くくっと笑ったトニーはペッパーの手を取るとナターシャとブルースに続いて歩き出した。

