ハロウィン 2015年 トニペパ

「おい、ペッパー。何度言えばいいんだ?ジャック・オー・ランタンだけは止めてくれ」
リビングの至る所に飾られた大きなカボチャをトニーは睨みつけた。
「だって、ジャックがいないとハロウィンって感じがしないわ」
トニーがジャック・オー・ランタン嫌いな理由は知っている。だが、ペッパーとしてみれば、幼少時よりハロウィンには家族でカボチャのランタンを作り続けてきたのだから、ランタン作りは年に一度の恒例行事なのだ。だからトニーが嫌いだと言っても毎年作り続けてきたし、最初は怒っていたトニーだったが最近では諦めたのか、文句を一通り言った後は黙認している状態だった。
ということで、今年も御馴染みのやり取りを繰り返した後、何度か首を振ったトニーは、これまた恒例のセリフを口にした。
「で、今年の仮装は?」
二人の仮装を決めるのは、ここ数年ペッパーの仕事だ。
「今年はね、ピーターパンとティンカーベルよ」
既に衣装は用意していたらしく、ペッパーは紙袋をトニーに押し付けた。
「パーティーは明日だけど、着てみて?サイズが小さかったら交換してくるから」
そう言うとペッパー自身も着替えるためにバスルームへと消えて行った。

ペッパーが買ってきただけあって、衣装のサイズはピッタリだった。
「さすがトニー・スタークだ。何を着ても私は似合うな。だが、髭は剃った方がいいのか?ピーターパンだから…」
髭を剃るべきか鏡の前で悩むトニーだが、ドアの外からペッパーの声が聞こえたため、急いでリビングへ向かった。
「トニー、どう?」
黄緑色の可愛らしい衣装に身を包んだペッパーは、髪をアップにし、さながら本物の妖精のようだった。だが、ティンカーベルの衣装はペッパーには若干小さかったのか、元々短めのスカートからは下着が見え隠れしている。
こんな格好でパーティーに出席すれば、明日のゴシップ誌の一面は、ペッパーの下着が飾りかねない。何とか阻止しなければ…と、トニーが考えていると、黙ったままのトニーの機嫌を取るように、ペッパーは腰をくねらせながら唇に指を当てた。
「トリックorトリート?」
こうなったら実力行使しかない。何としてもこんなセクシーな妖精の衣装を諦めさせなければと考えたトニーは、ティンカーベルをギュッと抱きしめた。
「お菓子はいらないからイタズラさせてくれ」
そう言うと、トニーはペッパーをソファーの上に押し倒した。
「ちょっと…トニーった……んん…」
お菓子の代わりに与えられた甘く蕩けそうなキスに、暫くするとすっかり酔ってしまったペッパーは、今年も去年までと同様に全身ローブの魔女にならないと無理だわ…と、ぼんやりし始めた頭で考えたのだった。

***
ちなみにピーターパンとティンカーベルの衣装はこんなのです。

   
 

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