ハワード×トニー6ヵ月
「ハワード様…これは一体…」
主人であるハワード・スタークを出迎えたジャーヴィスだが、目の前の光景に呆れているのか、言葉をすっかり失っている。
ジャーヴィスが驚くのも無理はない。スターク邸の庭は、大量のカボチャに埋め尽くされているのだから…。
カボチャを見渡したハワード・スタークは、目をくるりと回すと執事を見た。
「2日後はハロウィンだ、ジャーヴィス。ハ・ロ・ウィ・ン!ハロウィンと言えばカボチャだ。カボチャと言えば…後は分かるだろ?」
ご丁寧にウインクまでしたハワードだが、ジャーヴィスはそっと額の汗を拭った。
ざっと見積もっても100以上はあるだろうカボチャ。主人は愛息子であるトニー様が初めて迎えるハロウィンということで、張り切って大量に購入したのだろう。が、これを全てランタンにし光を灯すと、逆に幼いトニー様は怖がられるのではないか…と。
「ですが…こんなにも沢山…」
口ごもるジャーヴィスにハワードは眉を吊り上げた。
「おい、ジャーヴィス。今年はトニーの初めてのハロウィンだ。ジャック・オー・ランタンは善霊を呼び悪霊を追い払うというだろ?これだけあればトニーには善霊ばかり寄ってくるはずだ!」
唾を散らしながら力説するハワードは、もう誰も止められない。こうなったら何があっても責任は取りませんよ…と心の中で囁いたジャーヴィスは
「かしこまりました」
と一礼すると、リビングで待っているマリアとトニーの元にスキップしながら向かうハワードを見送った。
ハロウィン当日、庭中で光る大量のジャック・オー・ランタンは、悪霊どころか善霊までも逃げ出しそうなくらい異様な光景で、それに驚いたトニーは号泣。それ以来、彼はすっかりカボチャ嫌いになってしまったとか…。