Stark’s gene④


リビングへたどり着いた二人は、跡形もない程破壊された部屋に唖然としてしまったが、外を見るとドローンを倒したアイアンマンがプールを覗き込んでいるではないか。あちこちに倒れるドローンの残骸を避けプールサイドに駆け寄った二人が覗き込むと、水の引いたプールの底に父親が倒れているのが見えた。
「パパ!」
何度呼びかけても反応しない父親。間に合わなかったのかと、泣き出した弟をエストが抱きしめた時だった。
「二人とも大丈夫か?!」
聞きなれた声に顔を上げると、青い顔をしたクリントとナターシャがいた。
「ナターシャおばさん……」
エストの目にはみるみるうちに涙が溜まり始め、声を上げて泣き出した彼女とエリオットをナターシャは両腕で抱きしめた。
そして二人をナターシャに任せると、クリントはプールへ向かった。
「よかった…。エストもエリも、よく頑張ったわね」
何度か首を横に振ったエストは、ナターシャの服をぎゅっと掴んだ。
「でも…パパが…パパが…死んじゃう…」
しゃくり上げながら二人はプールに視線を送った。

急いでプールへ向かったクリントは、倒れたままのトニーを抱き起こした。
「スターク、しっかりしろ!」
首元に指を当てたが、脈を触れない。おそらく大量に水を飲んだのだろう、トニーはぐったりとしたままだ。
急いでトニーを寝かせたクリントは、心臓マッサージを始めた。
そして何度目かの息を吹き込んだ時だった。
トニーの身体がピクッと動き、彼は咳き込みながら口から大量に水を吐き出した。
「ナット!スタークが生き返ったぞ!」
プールの底から聞こえてきた声に、ナターシャは立ち上がると子供たちを抱き上げた。
「スタークは…あなたたちのパパは、大丈夫よ。すぐに病院へ向かいましょうね」

トニーが運び込まれたヘリに子供たちを乗せると、二人は横たわったままのトニーにキュッと抱き付いた。

⑤へ…

最初にいいねと言ってみませんか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。