「トニーったら、またボタンを掛け間違えてるわよ!」
眉を吊り上げたペッパーは駆け寄ってくると、私のワイシャツのボタンを外していった。
「もう…私がいないと本当に何もできないんだから…」
ブツブツと文句を言いながらもどこか楽しそうなペッパーは、手際よく正しい位置にボタンをはめていった。
「ハニー、君がいないと私は靴紐も結べない男だということは知ってるだろ?」
肩を竦めると、彼女は呆れたようにくるりと目を回した。
「そうだけど、こういうことはきちんと自分でしてくれなきゃ。もうすぐパパになるのよ?」
だからこそ、君の気を引きたくてわざとやっていると言えば怒るだろうか…。
ご丁寧にネクタイまで結んでくれたペッパーの額にキスをおとすと、最愛の妻は可愛らしい笑みを浮かべ頬にキスをしてくれた。