トニペパ(エスト5歳、エリ1歳)

クリスマスのショッピングにやって来たスターク一家は、ショッピングモールの広場に人だかりができていることに気付いた。
「あ!サンタさんだ!」
人だかりの正体にいち早く気付いたエストは、母親の手を離すと輪の方へ駆け出した。
「しゃんたちゃん?」
トニーに抱かれたエリオットは、姉の言葉に目を丸くした。
「一緒に写真が撮れるみたいよ。せっかくだから撮ってもらいましょ?」
「そうだな」
見ると娘はちゃっかりと撮影の待機列に並んでいるではないか。娘の元へ歩み寄った二人は、待ちきれないと興奮気味の子供たちと列に並んだ。

トニーたちの番がやって来た。
エストはともかく、去年はまだ1歳にも満たなかったエリオットにとっては、初めて見るサンタクロース。絵本やテレビでしか見たことのないサンタクロースに、彼は興味津々だ。
だがトニーもペッパーも少々心配だった。というのも、初めてサンタを見た時、エストは大泣きしたからだ。だが…。
「しゃんたちゃん!」
エリオットは臆することなくサンタに手を伸ばした。
サンタの腕に抱かれ大興奮のエリオットと、年長者らしくしようとしているのだろうか、サンタの横ですましてポーズを取るエストを、ペッパーは必死でカメラにおさめている。その様子は日頃自分たちを追いかけまわしているパパラッチも真っ青なくらい熱心だ。おそらく100枚以上は撮ってるだろう。またサーバーを強化しなければならないな…と思ったトニーだが、可愛い子供たちの姿が残るのだからお安い御用だ。

「そろそろ次の方に…」
係員に促され、息子を受け取ったトニーは、サンタからトナカイのぬいぐるみを貰いご満悦なエストとエリオットの頭を撫でた。
「二人とも、ちゃんとお礼を言うんだぞ?」
頷いたエストとエリオットは、とびっきりの笑顔を向けた。
「サンタさん、ありがと!」
「あーがと」
すると、それまで座っていたサンタが突然立ち上がった。
「ところで…トニー・スタークさんですか?」
「あぁ、そうだが…」
顔を輝やかせたサンタは、トニーににじり寄った。
「大ファンなんです!一緒に写真撮ってもらってもいですか!」
「あ、あぁ…」
サンタ…いや、サンタに扮装したその男性は、ポケットからカメラを取り出すとペッパーに渡した。そして若干引き気味のトニーと肩を組むと、満足げにピースをした。

「パパってすごいね!サンタさんとおともだちなんだね!!」
「しゅごいね!」
子供たちから羨望の目で見られ得意げなトニーだったが、その後数年にわたり『クリスマスパーティーにパパのお友達のサンタさんを連れて来て』と子供たちから言われ続け、少々困ったとか…。

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