100. Stark

「…スターク……ミセス・スターク?」
隣に座る社員に肩を突かれ、私は慌てて顔を上げた。
何度も呼んでいたのだろう。部屋中の人間が私をじっと見つめていた。
「ごめんなさい。次の議題は?」
手元の書類を揃えた私は、ふと左手に視線を落とした。
左指には、先週までなかった銀色の証が輝いている。

そう、私はミセス・スタークになった。
ヴァージニア・スターク。
ペッパー・スターク。
スターク夫人。

つまり、スタークに…。

些細なことかもしれないけど、それは彼と結婚したという明確な証。
最愛の男性が私だけのヒトになったという証。

ふふっと笑った私は、会議が終わったら彼に電話をしてみようと思いながら、議論の輪に入っていった。

※新婚さん

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