Rain showers

即興小説トレーニングで投稿したものです。
お題:昼のにわか雨 必須小道具:ゴム 制限時間:15分
「もう!今日の予報は晴れだったじゃないの!」

所用で抜け出した昼下がり。
目的を達成し、社へ帰ろうと歩き出してすぐのことだ。
空から大粒の雨が降り出し、ペッパーは雨から逃れるように近くのカフェに入った。

雨に濡れた服を拭き、トレードマークのポニーテールを留めていたゴムを緩めると、ポタポタと雨粒が髪の毛から滴り落ちた。
「どうしようかしら…」
空を見上げると、当分雨足は衰えそうにない。
途方に暮れていると、携帯から呼び出し音。
「もしもし?」
「ペッパー?今どこだ?」
聞こえてきたのは愛しい人の声。
「今、3丁目のカフェだけど…。どうしたの?」
「いや…雨が降り出したろ?傘を持って行ってないだろうから、困っているのでは…思ってね」
あら嫌だ。トニーったら本当に何でもお見通しなんだから…。
「どうして分かったの?」
濡れた頭を拭きながら苦笑するペッパーをからかうように、電話の向こうに主は答えた。
「私を誰だと思ってるんだ?君のことは何でもお見通しさ」
ニヤリと笑うトニーの顔が浮かび、ペッパーは思わず微笑んだ。
「待ってろ。すぐに迎えに行くからな。ついでに私の分のコーヒーも頼んでおいてくれよ…」

電話を切り、空を見上げると、いつの間にか雨は止んでいた。

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