72. Gift

『パパへ』
子供らしい字で書かれたメッセージカードと小さな箱。
寝室のサイドテーブルに置かれた可愛らしいプレゼントに、トニーは思わず頬を緩めた。
ベッドに座ったトニーは、カードを開いた。
『パパへ
きょうからママのかわりに、このこをだっこしてねてね。
エスト』

箱を開けると、中に入っていたのは人形だった。アイアンマンとペッパー・ポッツが抱き合っている人形…それは娘が大切にしている人形だった。
今朝、長男を出産したペッパーは入院中。父親は母親と共に眠ることができず寂しい思いをすると思ったのだろう。
(娘にまで見透かされてるということか)
苦笑したトニーは枕元に人形を置くと、先ほど寝かせたばかりの娘の部屋へ向かった。

部屋の灯りは消えているが、眠れないのだろう。モソモソと動くシーツの山に向かってトニーは声を掛けた。
「エスト?パパと一緒に寝るか?」
シーツの山がピタリと止まった。と、同時に、小さな娘は飛び起きた。
「うん!」
いつも抱き締め寝ているアイアンマンのぬいぐるみを手に駆け寄ってきた娘を抱き上げると、トニーは寝室へと戻って行った。

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