待望の息子が生まれて早半年。
小さな息子を水着に着替えさせたトニーは、自身も水着を履くとプールへと向かった。
プールでは最近泳げるようになった娘がペッパーに泳ぎを披露していた。
「あら?そんなに泳げるようになったの?」
「あのね!パパとれんしゅうしたの!」
最初は顔を水に漬けるのも泣いていたエストだったが、今ではすっかり泳ぐことに夢中になっている。
得意げにバタ足をする娘をプールサイドに座ったペッパーの背後から、二人に声を掛けた。
「ママを驚かせるんだってエストの奴、張り切ってたんだ」
「パパ!」
大好きな父親の声が聞こえ、顔を上げたエストは頭をブルッと振った。
ペッパーの隣に腰を下ろしたトニーは、息子を膝の上に乗せると足を水につけた。
「エスト、ママを驚かせる作戦は成功だな」
ニヤッと笑った父親に、エストも同じようにニヤニヤと笑った。
「うん!だいせいこうね」
同じような顔をしているトニーとエストにペッパーは苦笑い。そんな様子を見つめていたエリオットだったが、「あーあー」と声を出すと、水に触ろうとトニーの膝の上で暴れだした。
「何だ?入りたいのか?」
父親の問いかけにエリオットは、「うーうー」と不満げに声を上げると手足をばたつかせた。
「分かった分かった。だから暴れるな!」
息子を抱きなおしたトニーは、ゆっくりとプールの中へ入った。
初めてのプールにエリオットは大喜び。
まだ歯の生えてない口をいっぱいに開け笑みを浮かべた彼は、小さな手足を思いっきり動かした。途端に辺り一面水しぶきがたち、トニーもペッパーも思わず顔を背けた。だが、弟に負けじとしているエストに水を掛けられると、二人も子供たちに向かって水をかけ始めたのだった。