35. Honor

大切な話があると呼び出されたローディは、急いでスターク邸へとやって来た。

「なぁ、相棒。頼みがあるんだ」
いつになく真剣な親友にローディは何を言われるのかと、身体をビクつかせた。
「な、何だ?」
大きな目をさらに見開いたトニーは、ぐいっとローディに近づくと声を潜めた。
「お前さえ良ければなんだが…」
ローディがゴクリと唾を飲み込んだのを確認したトニーは、ペッパーと目を合わせると彼女の大きくなったお腹に手を当てた。
「この子のゴッドファーザーになってくれないか?」
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
つまり、ゴッドファーザーということは、トニーとペッパーの娘の代父となるということだ。そんな大役を二人は自分に任せようとしている…。
「……」
いつまで経っても黙ったままのローディにさすがのトニーも不安になってきた。
「ダメか?」
声色だけではなく、二人の不安げな視線に我に返ったローディは、慌てて頭を振った。
「だ、ダメなわけないじゃないか!お、俺でいいのか?」
上ずんだ声に親友が嫌がっているのではなく、むしろ驚いていると気付いたトニーはペッパーに向かって微笑むと親友の肩をぽんと叩いた。
「あぁ。お前がいいんだ。私の娘の代父だぞ?親友のお前にしか頼めないだろ?」
こんな名誉はない。今まで数多くの勲章を貰ってきたが、今日のこの名誉に勝るものはないだろう。
「任せてくれ!」
胸を張って答えるローディに、トニーもペッパーも嬉しそうに笑ったのだった。

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