【初めての朝】
「どうして知ってるの?」
初めて一緒に迎えた朝なのに、目覚めてすぐの彼女の第一声は、昨夜の感想でも愛の囁きでもなかった。
と言うのも、念願叶って彼女を手に入れた記念の朝なのに、トニーにしては珍しく何も用意していなかった。眠っている…正確には気絶している彼女を起こさぬようベッドから抜け出したトニーは、近くのジュエリーショップへ向かい指輪を購入。帰宅するとちょうどペッパーが目を覚ましたところだったため、ベッドへダイブしたトニーは小さな箱を彼女の目の前に掲げた。
「君が私だけのモノになった記念すべき朝だ!」
差し出された手に指輪をはめると、まるで元からその場所にあったかのように、指輪はピッタリと収まった。いつの間にサイズを測ったのかしら?と、目を白黒させたペッパーは、
「どうして知ってるの?私の指輪のサイズ…」
と、ポカンと口を開けて言った。
「昨日君を抱いた時に測った。スリーサイズも言えるぞ?」
当然だろ?と言うような口ぶりのトニーに噴き出したペッパーは、キラキラ輝く指輪を嬉しそうに見つめるとトニーに抱きついた。
「ありがとう、トニー。私ね、こんなに素敵な朝、生まれて初めてよ」
幸せそうに微笑むペッパーをシーツごと抱きしめると、トニーは再び彼女の身体に溺れていった。
【恋人期間】
「トニー!どうして知ってるの?!」
ある晩、プレゼントがあると大きな箱を渡されたペッパー。期待に胸を膨らませ箱を開けたペッパーだが、衝撃のあまり仰け反り返った。
箱の中には大量のブラジャー。しかも、彼が知っているサイズよりも大きめのものばかり。実を言うと、ここ一週間、サイズが合わなくなっておりそろそろ買い なおさねば…と思っていたところだった。だが、仕事が忙しくそんな時間はなかったため、毎朝小さいブラジャーに胸を無理やり押し込んで出かけていたのだっ た。
驚くペッパーとは反対に、贈り主は涼しい顔をして目の前の女性を抱き寄せた。
「知っているというのは、下着のサイズのことか?それとも君が買い換えようかと考えていたことか?サイズなんて毎晩君の身体に触れていれば分かるさ。それ に、毎朝無理やり小さいサイズのブラジャーを着けていただろ?思い立ったら即実行の君にしては珍しい。最近仕事が忙しかっただろ?きっと買いに行く時間が ないんだ…という結論に至ったわけだ。実に簡単なことだ」
ベラベラと自分の推理を語ったトニーは、ペッパーのTシャツを捲り上げると、窮屈そうに収まっている胸を鷲掴みにした。
「やぁ…んん」
ビクっと身体を震わせたペッパーだが、そんなことはお構いなしにトニーはブラジャーを剥ぎ取ると、触れただけで立ち上がり始めた先端にしゃぶりついた。トニーの手の動きに合わせて形を変える柔らかな胸。
「ふ…んん…」
次第に色づき始めた身体に両手を這わせたトニーは、残りの服と下着を脱がせると、彼女を膝の上に座らせた。
「いつの間にこんなに大きくなったんだ?」
唇を啄ばみながら尋ねると、ペッパーはこれ以上ない程に顔を赤らめた。
「あなたが…胸ばかり触るから…」
恥ずかしそうに口を尖らせた彼女の仕草すらも愛おしく、トニーは楽しそうに笑った。
「じゃあ、もっと触ってやるよ。それに、合わなくなったらすぐ言えよ?今日プレゼントした分もすぐに合わなくなるだろうから…」
【夫婦】
「ど、どうして知ってるんだ…」
事あるごとに耳にするペッパーのセリフ。まさか自分が使う羽目になろうとは、思いもしなかったトニー。寝室の床に正座したトニーの目の前には、彼の愛妻であるペッパーが真っ赤な顔をして仁王立ちしている。
「どうしてですって?ハッピーが教えてくれたの!偶然見かけたんですって!」
「偶然だと?おい、まさか私を監視してたのか?」
これまた何処かで聞いたことのあるセリフだが、心配そうな顔が四つ、ドアの隙間から覗いているのに気付いたトニーは、ため息をつくと先ほど投げつけられた写真を手に取った。
隠し撮りされた写真。某高級ホテルへ入ろうとしているのは、紛れもなく自分。そしてその横には、サングラスで顔を隠してはいるが、若く美しい女性。問題は、その女性がペッパーではないことだ。この一枚だけを見れば、浮気現場だと罵られても仕方ないか…。
(せっかく当日までの秘密にしておこうと思ってたんだが…。計画が台無しだ…)
どこから話そうかトニーが思案していると、言い訳を考えていると受け取ったペッパーが、トニーの頬を平手打ちした。
「何とか言いなさいよ!誰よ!この女!私には飽きたって言うの?!そんなに若い女を抱きたいのなら、出て行ってよ!離婚よ!離婚!」
まさか子供を四人も作っておいて裏切られるなんて…。ポロポロと大粒の涙を流し始めたペッパーは、床に座り込むと大きな声で泣き出した。
「おい、ペッパー。きちんと説明するから…な?」
ペッパーの背中を撫で何とか泣き止ませようとするトニーだが、
「言い訳なんか聞きたくないわよ!」
と、ペッパーはポカポカとトニーの身体を叩き始め聞こうとしない。
トニーの計画を知っている…というよりも、一枚かんでいる子供たちは、さすがに父親を助けた方がいいと思ったのだろう。ドアの外で何やらこそこそと話す声が聞こえていたが、しばらくしてドアが勢いよく開き、長女であるエストが下の三人を引き連れて部屋に入って来た。
「ママ!パパは浮気なんかしてないわ!だからちゃんと話を聞いてあげて!」
さすがに子供たちに言われれば、ペッパーも従わざるを得ないと思ったのだろう。だが、ピタッと泣き止んだペッパーは、まるで汚らわしい物を見るような目でトニーを見つめた。
「あなたって最低ね!子供たちまで巻き込んだの?!」
(だからどうしてそうなるんだ!)
トニーが浮気してると信じ込んでいるペッパーの言葉に、トニーとそして大人の事情も理解できる年頃になっているエストとエリオットは、ガックリと肩を落とした。さすがに下の双子は、どういうことか理解できていないため、不安そうに上の二人の影に隠れているが…。
「信じられないわ…」
と、ブツブツと文句を言いながら立ち上がったペッパーだが、トニーに手を掴まれ、気がつくと力強い腕の中に閉じ込められていた。
「違う!そうじゃない。こうなったら白状する!洗いざらい話す!」
「あの女とのことでしょ!聞きたくないわ!」
ペッパーは思った。自分よりも数段若い女性。きっとトニーは自分よりも彼女の身体を選ぶと…。決定的な言葉を聞きたくないと言わんばかりに目を閉じたペッパーだが、トニーは胸元にペッパーの頭を押し付けると、耳元で優しく囁いた。
「お祝いをしようと計画してた。もうすぐ20回目の結婚記念日だろ?サプライズパーティーをしようと、子供たちにも協力してもらってたんだ」
「え……」
そう言われてみれば、もうすぐ結婚記念日だ。にわかに信じられないペッパーは、トニーをじっと見つめたが、彼は優しい眼差しで妻を見返した。
「で、でも…あなたの隣の女は?」
髪をくしゃっと掻き分けたトニーは苦笑い。
「あぁ、あれは、エストだ」
「え、エスト?!」
まさか自分の娘に気づかなかったとは…。ペッパーが目を白黒させていると、エストが綺麗に結ってあったポニーテールを解き、サイドボードにあったペッパーのサングラスをかけた。その姿は、確かにあの写真…嬉しそうにトニーに寄り添う女性と同じだった。
「ママ、私よ。でも、パパと恋人に見られるなんて、嬉しいわ」
楽しそうに笑ったエストをちらりと見たトニーは、ペッパーの涙に濡れた頬を拭き取ると、軽くキスを落とした。
「ほら、君とエストは背格好がほぼ同じだろ?あの日は君に当日着てもらうドレスの試着をしに行ったんだ。全くタイミングが悪かったな。せっかくここまで順調だったのに…」
ははっと笑ったトニーは、ペッパーを抱きしめた。
(私って、なんてバカなのかしら…。トニーは私のことをこんなにも愛してくれているのに…。この二十年間、どれだけ彼に愛されてきたか、分かっているはずなのに…。彼の愛を疑うなんて最低ね…)
グスっと鼻を啜ったペッパーは、新たに浮かんだ涙を隠すようにトニーにしがみついた。
「トニー…ごめんなさい…。あなたの愛を疑うなんて…私がバカだったわ…。許して…」
「いいんだ、ハニー。愛してるよ…」
お互い顔を見合わせた二人は、唇を近づけキスをし始めた。次第に深くなる口づけ。こうなるとこの二人は止められないことを知っている子供たちは、顔を見合わせると寝室を出て行った。
寝室のドアを閉める前にエストがそっと中を覗くと、ちょうど父親が母親の服を脱がせベッドに押し倒すところだった。
(全くパパったら…。ちゃんとドアが閉まってから始めてよね…)
「ママったら、意外と子供ね。誰がどう見てもパパはママしか見えてないのに…」
ため息をついたエストに続き、エリオットも肩をすくめた。
「本当だよ。あーぁ、せっかくサプライズだったのに…。パパと計画を練り直さなきゃ…。そうだ、姉ちゃん、今日の晩ご飯、どうする?」
「そうね、ピザでも頼みましょ?どうせ明日の朝まで出てこないわよ」
「下手したら昼まで出てこないな…」
奇しくも今日は金曜日。明日の休日は久しぶりに家族で出かけることになっていたが、一体どうなることやら…。あの父親だ。おそらく覚えているだろうが、問題は母親の足腰が立つかどうか…。
「たまにはパパとママ、二人きりにさせてあげるのもいいかもね」
リビングへ向かった四人。エストがジャーヴィスに命じピザを頼んでいる間に、エリオットは映画でも見ようと物色し始めた。
上の二人の会話がイマイチ理解できない双子は、顔を見合わせた。パパとママが仲良くしてるのは嬉しいけど、どういうこと?と。
ルーカスに突かれたアビーがエリオットのTシャツを引っ張った。
「お兄ちゃん、どういうこと?」
父親そっくりの大きな目で自分を見つめてくる妹に、エリオットはこれまた父親そっくりのいたずらめいた笑みを浮かべて妹と弟の頭を撫でた。
「お前たちにはまだ早い。でも、パパとママが仲良くしてるってことだ」
「そ、パパとママの邪魔しちゃダメよ」
クスクスと笑ったエストは双子に向かってウインクした。
【晩年】
「ねぇ、トニー。いつも思ってたんだけどね…、私の考えていること、どうして知ってるの?」
昼下がりのリビング。リクライニングチェアに寝転び本を読んでいるトニーに、ペッパーが声をかけた。
「君と何年一緒にいると思ってるんだ?」
「もう50年になるかしら?あら?人生の半分以上、あなたと一緒にいるのね」
クスクスと笑うその可愛らしい笑みは、年老いていても昔とちっとも変わらない。そればかりか、年を取るごとに、苦楽を共にするごとに、彼女は内面だけでなくますます輝き美しくなっていった。
まぶしそうに妻の笑顔を見つめていたトニーは、身体を起こすと本を置き手招きした。飛び跳ねるように近寄ってきたペッパーは、腕を伸ばすトニーの胸元に飛び込むと、勢いよく膝の上に座った。だが、突然膝に負担がかかりトニーは顔をしかめた。
「おい、ペッパー。膝が痛むんだ。もっと優しくしてくれ」
「ご、ごめんなさい…」
あれだけ鍛えていたトニーですら、よる年波には勝てず、最近は身体のあちこちが痛み、日当たりのよいこの場所で過ごすことが次第に多くなっていた。
アーマーに身を包み、颯爽と空を飛び回っていたのは遠い昔。ヒーロー業からはとうの昔に引退。同時に会社も長男に譲り、トニー自身は会長に収まってはいるが、長男が立派に跡をついでくれているため、ここ数年はペッパーと二人で静かに余生を楽しんでいた。
髪も髭も白くなり年相応の風格を漂わせているが、それでも彼の瞳や醸し出される雰囲気は、若い頃と少しも変わらない。毎朝ヨガやトレーニングを欠かさないおかげで、いつまでも若々しいその肉体に抱かれるたびに、ペッパーは少女のように胸をときめかせるのだった。
「ねぇ…二人でどこかに行かない?」
甘えたように顔を摺り寄せたペッパーの背中に指を這わせたトニーは、妻からのおねだりに顔を緩めた。
「そうだな。そのうち動けなくなったら、どこにも出かけられなくなるし…。どこへ行こう?世界一周でもするか?」
「せ、世界一周?!そ、そんなに大げさじゃなくても…」
目を白黒させるペッパーに、トニーはニヤニヤと笑った。
「そうだな…どこがいい?ビーチでのんびりしてもいい。避暑地もいいな?ここに比べると涼しいだろ?君が行きたい所に行こう。まぁ、私は君のことを可愛がれる場所ならどこでもいいが…」
若い頃に比べるとおとなしくなったトニーだが、年からは考えられないほど旺盛な彼は、やはり週に何回かはペッパーを求め続けた。(本人は毎日でもいいと言うのだが、さすがにペッパーの身体を考え、我慢しているらしい)
話をしている今でも、背中を這い回っていた指はいつの間にか服の下から侵入し、素肌の上を這い回っている。何万回…いや、何億回と与えられ続けた刺激に、ペッパーの身体も反応し始めた。
「と、トニー…き、今日は子供たちが来るのよ!だから…」
身を捩り抵抗するペッパーの唇を奪ったトニーは、残念そうに顔をしかめた。
「そうか。なら我慢するよ。可愛い孫たちに君の露わもない姿は見せられない。その代わり、夜は覚悟しとけよ?久しぶりに朝まで可愛がってやる」
ウインクしたトニーは、ペッパーの身なりを整え膝の上から下ろすと、ゆっくりと立ち上がった。
「あ、朝まで?!」
飛び上がったペッパーに、トニーはニヤリと笑った。
「何だ?君だって期待してるだろ?私には分かるぞ。君が考えていることが手に取るように…。昔みたいに朝まで…何なら明日も一日中…でもいいが…。それはやめておこう。君の身体を壊してしまったら大変だ」
真っ赤な顔をして反論しようとするペッパーにとびっきり甘いキスをすると、楽しそうに笑ったトニーはラボへと降りて行った。
***
久しぶりに家族で集まった夜。子供と孫たちはそれぞれの家に帰り、マリブの家は数時間前までの賑わいが嘘のように静まり返っていた。
寝室のベッドの上で今日のことを話していた二人だが、ペッパーの身体を抱き寄せたトニーがキスを始めたのを皮切りに、二人はお互いの温もりを求めるように身体を密着させた。
ペッパーの服を手際よく脱がせたトニーは自分も服を脱ぎ捨てると、甘いキスをしながら彼女をベッドへ押し倒した。昔は激しく濃厚な営みを好んだ二人も、年 月を重ねるうちに長い時間をかけてゆっくり愛し合うようになっていた。いつもならお互いの顔が見たいと思う二人なのだが、今日は違った。ペッパーの脳裏に は、夕食時に子供に言われた言葉が蘇っていた。
「パパ、ママのこと愛するのもいいけど、ほどほどにしとかないと、ママの身体が壊れちゃうわよ!」
どうやら昨晩トニーが付けた首筋に残る無数の赤い印に気づかれたらしい。
「私たちより元気なんじゃないの?パパも自分の年のこと、ちゃんと考えてよね。いい年なんだから…」
と、笑いあった子供たちにトニーは
「いいだろ?ペッパーのこと、愛してるんだから」
と当然のように答えると、みんなが見ている前でキスをしてきたのだ。いつもの光景に呆れ顔の子供たちだったが、ペッパーの胸に『いい年なんだから…』という言葉はいつまでも引っかかっていた。
「ねぇ、トニー…。電気消して?」
全身を愛撫し始めたトニーに、ペッパーは遠慮がちに声をかけた。
何十年と言われたことのないセリフをまさかこんなタイミングで言われると思ってもいなかったトニーは
「なぜだ?」
と、不機嫌そうに唸った。愛撫の手を休めたトニーは、明らかに機嫌が悪くなっていた。
「いいんだぞ?別にしなくても…」
怒らせるつもりなんてなかった。トニーは昔に比べると、優しく丁寧に愛撫してくれるようになった。その絶妙なタイミングはいつだってペッパーを最高の高みへ登らせてくれるし、その与えられる快楽を彼女自身も求め続けていることに変わりはなかった。
身体を起こしたトニーは、髪の間に指を入れるとため息をついた。
「ち、違うの!私もあなたと…その…したいわ…。でも…恥ずかしくって…」
その言葉に一瞬目を丸くしたトニーだったが、何を今更…と言わんばかりに鼻を鳴らした。
「今頃恥ずかしいって…。もっと恥ずかしいことは散々やってきたじゃないか?」
首を傾げたトニーは、拒否された訳ではないと分かり、ペッパーの胸に再び吸い付いた。変わらない唇の感触に湧き上がるものを我慢できなくなったペッパーだ が、自分の年老いた身体をいつまでも若々しいトニーと比べてしまい、思わず涙がこぼれ落ちた。急に泣き出したペッパーに驚いたのはトニー。
「ペッパー…どうした?」
顔を近づけたトニーは、頬を流れる涙をペロリと舐めた。優しい眼差しで見つめられたペッパーは、涙を拭くとポツリと胸の内をこぼした。
「わ、私……昔みたいに綺麗な身体じゃないし…。もうおばあちゃんだし……。だから……」
要するに、ペッパーは年老いた自分の肉体を気にしているらしい。ハリがあり吸い付くような肌も、全身から醸し出される甘く誘うような香りも、すらっと伸び る脚に引き締まったヒップ、くびれた腰に豊満で柔らかな胸も…思いが通じ合った遠い昔と何ら変わりのないペッパーなのに、何を急に気にしているんだ?と、 トニーは思いを巡らせた。さては、子供たちに言われたことを気にしてるんだな?『年なんだからほどほどにしておけ』という言葉を…。
鼻の頭に音をたててキスをしたトニーは、顔中に口づけをしながらとびっきりの甘い声で囁いた。
「ペッパー、君は昔とちっとも変わらない。君は今でも美しい。いや、年月を重ねるたびに、ますます美しくなっている。私は君の全てを見たい。君が今、どんな顔をしているか、どんな声で悦んでくれるか……。だから今まで通り隠さず全て見せてくれ…」
トニーの甘く優しい言葉に、ペッパーは上目遣いで彼を見上げた。
「ホント?本当にそう思ってる?」
出会った頃と変わらない煌めく魅力的な瞳でペッパーを見つめていたトニーは
「あぁ、当たり前だ。君に嘘をついてどうするんだ?それに、君だけだぞ?私を満足させてくれるのは…」
と、嬉しそうに笑った。その笑顔につられるように笑ったペッパーは、トニーの胸元に顔を押し付けると、たくましい胸板に印を刻み始めた。
背中に回した腕に力を入れると、トニーはそっと抱きしめてくれた。ペッパーの身も心も全て受け止めてくれるその力強い腕に抱かれながら、ペッパーは胸の高まりを抑えられなくなっていた。
「ねぇ…。トニー……。私のこと何でも知ってるでしょ?だから…」
モジモジと恥ずかしそうに呟いたペッパーに、トニーはお馴染みの笑みを浮かべた。
「あぁ、分かるさ。私を誰だと思ってる?世界一君のことを愛している男だぞ?君の考えていることは、全部知ってるさ。そうだな、昔みたいに激しく愛して欲しいんだろ?久しぶりに朝まで…な?もちろん、君の身体の負担になるようにはしないさ。私は優しいんだ」
ふふっと嬉しそうに笑ったペッパーを組み敷いたトニーは、昔のように情熱的に彼女を愛し始めたのだった…。
エアムパラ投下ネタ。