He’s All Me(献上品、グレエイ@ゾディアック)

深夜…一人デスクに向かうエイヴリーの元に、グレイスミスがやって来た。

「どうした?こんな真夜中に…」
闇と静寂の支配する中、タバコに火をつけたエイヴリーの手元だけが照らされていた。小さな赤い光だけを真っ直ぐ見つめたグレイスミスは、手に持っていたボトルを掲げた。
「呑まないか?」
「いい酒か?」
チラリと送られた視線を受け止め、グレイスミスは微笑んだ。
「ああ、上等な代物だ…」

*****
「急にどうした?」
部屋の片隅のソファーに並んだ二人。
「ほら、今日は君の誕生日だろ?」
「そういえばそうだった…」

並々と継がれた酒をこぼさぬよう、掲げられたグラスを合わせると、乾いた音が部屋に響き渡った。

薄暗い中、グラスの酒を煽るエイヴリーをグレイスミスは見つめた。
姿なきあの殺人鬼。追い求めるエイヴリー。全てを捧げるように追い求めるその姿をグレイスミスは、日々見つめ続けていた。

なあ、ポール…気づいているか…僕の気持ちに…。

気がつくとグレイスミスはエイヴリーの首に手を回し、顔をその柔らかな癖毛に埋めていた。
暫くされるがままになっていたエイヴリーだが、何も言わず抱きついたままのグレイスミスの背中を軽く叩いた。
「おい、気持ち悪いからやめろ。せっかくの誕生日だ。君より女に抱かれたい…」
「…」
「おい?ロバート…」
返答のないグレイスミスが心配になり、エイヴリーは身体を引き離そうとした。
が、グレイスミスはエイヴリーの背中に手を回し、身体をさらに密着させた。

首筋に感じていた唇の感触が頬に移動した頃、グレイスミスは身体を離し、無精髭でざらつく頬をスッと撫でた。
「ポール…たまには僕の方も見てくれよ…」
エイヴリーは無骨な手で少年のようなグレイスミスの手を包み込んだ。
「分かってる。だが、心はいつも君とあるから…」
ニヤリと笑ったエイヴリーの柔らかな温もりを奪うと、グレイスミスは他の誰にでもない…彼の心にある唯一の存在にその身を捧げていった…。

フォロワーさんお誕生日に献上したグレエイ@ゾディアックSS

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