「ペッパー、ポッキー食うか?」
箱から1本のポッキーを取り出したトニーは、チョコレートの付いた先をパクッとくわえた。
「反対側くわえてくれ」
「こう?」
か細いそれを折れないようにそっとくわえる。
「そう…そのままだぞ?」
そう言うとトニーはポッキーを食べ始めた。
だんだんと近づいてくるトニーの顏。
このままだと…と思っていると、トニーの唇が私の唇に触れた。
「たまにはこういう食べ方もな?」
触れ合った唇はチョコの味がした。
「私…チョコの方…食べてないわよ…」
いじけたようにつぶやくと、トニーは私の頭にそっと手を添え、唇を奪った。
先ほどの触れる程度の軽いキスではなく、今度のキスは私の好きなチョコのように濃厚な味。
舌を絡め彼の口腔内を味わうと、ほんのりとチョコの味がした。
どれくらいそうしていたのだろう。
銀色の糸を引きながら唇を放すと、トニーは名残惜しそうに私の唇の端にキスをおとした。
「まずいな…チョコよりも君に酔いそうだ…」
「もう…」
真っ赤になった顔を隠すようにトニーに抱き着くと、彼は待ち構えていたかのように私をギュッと抱きしめた。
11月11日はポッキーの日