Pepperony Week 2014 Day4:Date Night

父の日から数日経った平日の夜。
街角の小洒落たレストランに、スターク夫妻の姿があった。ドレスアップした二人だが、いつもと様子がどこか違う。よく見ると、必ず一緒にいる子供たちの姿が見当たらないではないか。
「二人きりって久しぶりじゃない?何だか懐かしいわね」
ふふっと嬉しそうに笑ったペッパーは、デザートのケーキを一口掬うと、そのままトニーの口元に運んだ。
「あの子たちがいないのは寂しいけど…」
トニーの口にケーキを放り込んだペッパーは、髭についている生クリームを指で拭い取った。
「そうだな。静かすぎて物足りない」
同感とばかりにトニーは頷いた。子供たちからの父の日のプレゼント、それが今回のペッパーとの夫婦水入らずのデートだったのだ。
『おるすばんしてるからだいじょうぶよ。ハッピーおじちゃんといいこにしてるから。だからパパとママはデートしてきてね!』と満面の笑みの娘と、姉に言いくるめられたのか少々不安げな息子をハッピーに託し、久しぶりに二人きりの夜を楽しんでいるのだった。
以前ならこの状況を喜んでいただろうが、今はどうも手放しには喜べない。いや、嬉しいのだが、やはり気になるのは子供たちの様子。
「本当ね。でも、今頃、ハッピーは大変よ。エストはともかく、エリは初めての留守番でしょ?二人ともいい子にしてればいいけど…」
小さな息子が泣いている姿を思い出したのか、ペッパーはチラリと手元の携帯電話を見た。だが『何かあればすぐに連絡します。だから電話は掛けてこないで下さい』とハッピーに言われたのだ。何も連絡がないということは、おそらく大好きなハッピーおじさんと大騒ぎをして遊んでいるのだろう。
ペッパーの手に触れたトニーは、両手で包み込むと笑みを浮かべた。
「ハニー、心配するな。ハッピーのことだ。うまく取り仕切っているさ。それにこれはあの子たちからのプレゼントなんだ。だから甘えさせてもらおう」
その言葉に頷いたペッパーは、トニーの手をそっと握り返した。
「そうね」
どちらともなく見合いクスクスと笑った二人だが、トニーがペッパーの手の甲にキスをしたのを機に席を立った。

ペッパーの予約した最上階のスイートルームへと向かうためエレベーターへ乗り込むや否や、トニーはペッパーを抱き寄せキスをし始めた。
「なぁ、ハニー。今日は邪魔も入らないし、思いっきり君のことを愛せる。久しぶりに朝まで…な?」
キスの合間に囁かれた言葉にクスッと笑ったペッパーは、
「あら?いつものことでしょ?」
と肩を窄めた。わざとらしく眉を潜めたペッパーに、トニーはふんっと鼻を鳴らした。
「いつもは手加減しているんだ。今日は手加減なしだ。覚悟しろよ、ポッツくん」
わざわざ『ポッツくん』と昔のように呼んだということは、あの頃のように・・ということだろう。
「受けて立つわ、ボス」
音をたてて唇を奪ったペッパーを抱きかかえたトニーは、エレベーターのドアが開くや否やキスをしながら部屋へと向かった…。

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