プロポーズから数日後のある夜。
ベッドの中でペッパーを抱きしめていたトニーがおもむろに口を開いた。
「なぁ、ペッパー。ここに引っ越して来ないか?」
ほぼ毎日トニーの家にいるのだから、事実上同棲しているのに変わりはない。だが、改めて言われると結婚に向けて着々と準備は進んでいるのだと感じ、急に恥ずかしくなったペッパーはトニーの胸元に顔を埋めた。
そんなペッパーの様子にトニーはニヤニヤと笑いながら髪を弄び始めた。
「どうした?」
トニーの逞しい胸板に顔を押し付けたペッパーは、くぐもった声で答えた。
「だって…あなたのお嫁さんになると思うと…嬉しくて…」
ペッパーがグスンと鼻を啜るが聞こえ、トニーは彼女の身体に回した腕に力を入れた。
「なぁ、ペッパー。私が帰る場所は君なんだ。これからはこの家を二人が帰る場所にしよう」
「えぇ…」
次々と溢れる嬉し涙を隠すように、抱きついてきたペッパーをトニーは力強く抱きしめ続けた。