160.マスターベーション→116.ごちそうさまでした

160.マスターベーション

ペッパーがヨーロッパに出張へ向かい、早2週間。恋人になってから、こんなに長い期間離れ離れになったのは初めてだ。 だが、その生活も今日で終わり。明日にはペッパーは帰国する。飛行場まで迎えに行き、その足でホテルへ向かい、美味いディナーの後は彼女を一晩かけて味わ おうと密かに計画していたトニーだったが……。

「帰国が1週間延びるだと?!」
ラボに響き渡った大声に驚いたのだろう、ダミーは思わず運んでいた部品を落としてしまった。主人に怒られると慌てふためくダミーとユーだが、その主人であるトニーはショックのあまりその音にすら気づかないようだ。
「な、なぜだ!なぜ1週間も…」
わなわなと震えるトニーに、電話の向こうのペッパーはため息をついた。
『仕方ないわ。仕事が片付かなかったの。これを終わらせないと帰れないもの。私だって、早くあなたに会いたいわ。後1週間も会えないなんて…』
言葉を詰まらせたペッパーに、トニーはがっくりと肩を落としたが、ものの数秒で名案を思い付いたと声を弾ませた。
「そうだ!今からそっちへ向かう!それがいい。お互いのためだ!」
すぐにでも飛び出して行きそうなトニーだったが、どんなに遠く離れていても彼のスケジュールを全て把握しているペッパーは大慌て。
『ダメよ、トニー。明日から次のプロジェクトの会議があるでしょ?大切な会議よ。あなたがいないと話にならないわ』
言われるまで会議の存在などすっかり忘れていたトニー。
会議なんか出たくない、君に会えなくて寂しい、我慢できなくて死にそうだと喚くトニーを何とか宥めたペッパーは、久しく出したことがないような甘ったるい声で愛を囁くと、電話を切った。

無理矢理電話を切られ、アーマーの整備をする気すらなくなったトニーは、ふて寝しようと寝室へと向かった。
ペッパーの枕を抱え込んだトニーだったが、2週間も毎晩抱きしめて寝ていれば当然彼女の温もりも何もかも薄れてしまっているわけで…。
目を閉じたトニーは枕を抱えたままベッドの上をゴロゴロと転がったが、先ほど聞いた愛の言葉が脳裏に浮かび、一向に眠れない。要するに、彼はいろいろと我慢の限界だったのだ。
「眠れないじゃないか…」
ギュ―っと目を閉じれば閉じるほど、目の前に浮かぶのは恋人の姿。しかも、2週間前、彼女が出かけるギリギリまで交わっていた時の姿なのだから、トニーは逆に目が冴えわたってしまった。
「ハニー…」
かわいい声で啼く彼女の姿を思い浮かべたトニーは、無意識のうちに下着の中に手を這わせた。
触れただけでもむくむくと頭を上げた彼の分身は、その瞬間を待ちわびている。

恋人の姿を思い起こし、何度も恋人の名前を叫んだトニーは、ブルっと震えると手中に欲望を吐き出した。
だが、やはり物足りない。
「やはり本物でないと…」
ため息を付いたトニーはシャワーを素早く浴びると、ラボへ降りて行った。

116.ごちそうさまでした

恋人との電話を切ったペッパーは、シャワーを浴びるとベッドに潜りこんだ。
だが、やはり彼女も恋人の温もりが恋しくてたまらなかった。
「トニー…」
ふかふかの枕を抱きしめたペッパーだが、所詮は枕。彼の代わりになるはずもなく、空しくなった彼女は目を閉じるとシーツに潜り込んだ。

30分ほど経った頃だろうか。うとうとし始めたペッパーは、自分の名前を誰かが呼んでいるのに気付いた。
時計を見ると0時を回ったところ。こんな夜更けに…と思いながら起き上がったペッパーは辺りをキョロキョロと見渡した。
すると…。
「ペッパー!」
聞こえるはずのない声が外から聞こえるではないか。
パッと窓の外を見ると、バルコニーに立っているのはアイアンマン。
LAにいるはずの彼がどうしてイタリアにいるのか分からない。これは幻ね…と目を擦ってみたものの、外にいるアイアンマンはドアを開けろとわめいてい る。ようやく現実だと理解したペッパーは、慌てて駆け寄るとドアを開けた。
「と、トニー?!ど、どうしたの?!」
目を白黒させるペッパーの横をすり抜け部屋に入ったトニーは、
「すまない。我慢の限界だ。すぐに帰るから…」
と言いながら、アーマーを脱ぎ始めた。アーマーを脱ぎ捨てたトニーは何故か下着姿。
同じく下着姿でポカンと口を開けているペッパーを抱きしめたトニーは、あっという間にベッドに押し倒すと身体をまさぐり始めた。
何か言いたげなペッパーの口をキスで封じたトニーは、これまたあっという間に下着を脱ぎ捨てると彼女の身体に入り込んだ。

「私にはアーマーがあるんだ。お互い我慢しなくても、最初からこうすれば良かった…」
キスの合間に顔を上げたトニーはペッパーに向かって囁いた。だが、すでに快楽の虜となっているペッパーには聞こえていないのだろう。必死で自分にしがみ付 いてくる彼女を引き寄せたトニーは、ペッパーの甘い声を飲み込むように再びキスをし始めた。

翌朝、2週間分の思いを吐き出したトニーはスッキリとした表情でアーマーを着ていた。
「美味かったよ。ごちそうさま。また今夜来るからな」
腰が抜けてまだベッドから起き上がれないペッパーにキスをすると、赤と金色のボティを光らせながら、アイアンマンは空高く飛び立った。m

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