Day 6 (Thursday, August 26): jealousy

もうすぐ5歳になるモーガンは、父親のことが大好きだった。産まれた時からずっと一緒にいるので、大好きなのはずっとなのだが…。
半年ほど前、父親は大怪我を負った。病院のベッドで眠ったままの父親に、パパはもう目を覚さないかも…と、モーガンは毎日泣いていた。だが父親は目を覚まし、家に帰ってきた。それ以来、モーガンはますます父親のことが大好きになったのだ。

「あたしね、パパのおよめさんになるから!」
今日も朝から父親に抱きついて離れないモーガンは、声高々と宣言した。
「そうか、それは嬉しいな」
毎朝繰り返されるやり取りに、トニーは苦笑いしながら娘の頭を撫でた。
「パパ、あたしのこと、およめさんにしてね?」
可愛らしく上目遣いで見つめてくる娘の姿は、母親であるペッパーそっくりだ。

「モーガンは本当にパパが大好きね」
朝食の用意をしながらそう告げた母親に、モーガンは思い出した。自分が起きた時、父親と母親はキスをしながら朝食の準備をしていたことを…。
「ねぇ、パパ。チューして」
そこで父親にお願いすると、父親は頬っぺたにキスをしてくれた。ママとはお口でキスをしていたのに…と、モーガンは頬を膨らませると、父親に告げた。
「ちがうの!お口にチューして!」
すると父親は困ったように肩をすくめた。
「モーガン、パパがお口にキスしていいのは、ママだけだ。ママはパパのお嫁さんだから…」

正論を言ったのに、娘は膨れっ面をして怒り出した。そして膝の上から降りると、怒り露わに朝ご飯を食べ始めたではないか。
「モーガンったら…」
苦笑するペッパーをモーガンは睨みつけた。
「ママ!あたしがパパのおよめさんになるから、ママはパパのおよめさんをやめてね!」
母親に嫉妬する娘に、トニーは頭を抱えた。
「モーガン、ママに嫉妬するのはやめてくれ…」
今日は動物園に行くことにしているが、一体どうなることやら…と、ため息を付いたトニーだが…。
大好きな動物園に、嫉妬していたことなどすっかり忘れたモーガンは、大好きなパパとママと手を繋ぎ、結局一日中ご機嫌だったとか…。

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