「パパとママ、無事に着いたかな?」
予定では、休暇先のホテルにとっくに到着している時刻なのに、珍しく両親からは連絡ひとつない。
余程2人で仲良くしているのかと思ったモーガンだが、『今から移動するわね』と母親からメールが届いたきりだったため、些か心配になり、電話を掛けてみようかと携帯に手を伸ばした時だった。
ローディから電話が掛かってきた。父親の親友からの電話に、何かあったのかと、不安になりながらモーガンは電話に出た。
「ローディおじさん、どうしたの?」
「モーガン、落ち着いて聞いてくれ…。実は…」
ローディの話に、顔色を変えたモーガンは、その場に座り込んだ。
『トニーとペッパーが行方不明になった』
その言葉が頭の中でぐるぐると回り、身体が震え始めた。
「ど、どうしよう……パパと…ママが………」
ガタガタ震える身体を両腕で抱きかかえたモーガンは、F.R.I.D.A.Y.にTVを付けるよう告げた。するとTVからは速報だと、スターク夫妻が行方不明になったと流れてた。破壊された車と戦いの跡の映像も流れたが、ニュースではそれ以上の情報は何も流れてこない。
チャンネルを次々変えても、同じ映像しか流れてこない。そうこうしているうちに、ローディがやって来た。
泣きながらチャンネルを変えているモーガンに、ローディは声をかけた。
「モーガン…」
振り返ったモーガンは、ローディの姿を見ると、ポロポロと大粒の涙を流しながら抱きついた。
「お、おじさん……パパとママが………」
声を上げて泣き始めたモーガンを、ローディは守るようにぎゅっと抱きしめた。
「F.R.I.D.A.Y.、映像はあるか?」
少し落ち着いたモーガンの背中を撫でながら、ローディはA.I.に尋ねた。
『通信が妨害されていたため、映像はございません。ですが、ミセス・スタークの音声の一部は何とか受信できました』
ローディが聞かせてくれと告げると、ザーーっという雑音が聞こえてきた。そして、爆発音と共に『トニー!!!!!!』というペッパーの悲鳴も…。
『申し訳ございません。これ以上の受信は不可能でした』
間違いない。トニーに何かあったのだ。
それだけはあの音声から判断できた。
ローディは言葉を失ない、モーガンは震え始めた。
「早く…早く見つけないと……パパが…パパが…死んじゃう…」
モーガンは、一刻も早く両親を見つけたかったが、今の彼女には祈ることしかできなかった。