数ヶ月後。モーガンの結婚式が行われた。
バージンロードをトニーはモーガンと共に歩くことができた。モーガンはペッパーのウェディングドレスを身に纏っており、トニーは自分たちの結婚式を思い出した。あの時は、世界は混沌としており、生き残った自分たちは運が良かったのだから…と、ハッピーとローディだけを呼んだ、こじんまりとした式を隠れるようにして行った。だが、モーガンは大勢の人に心から祝福されているのだから、トニーは嬉しくてたまらなかった。
パーティーには、勿論トニーの席も用意された。写真を飾ってトニーの席だと分かるようにしたが、トニーはちゃんと椅子に座り、娘の幸せをペッパーと共に祝った。
残念ながらモーガンの夫のポールにはトニーの姿は相変わらず見えなかったが、彼はモーガンやペッパーを通して義父と話すことができた。ポールは根っからの『メカニック』だった。トニーと同じく…。開発を始めると、寝食を忘れて没頭する姿は、何となく自分と重なるところがあった。モーガンにそれとなく伝えると、娘は笑って父親に告げた。『だから彼に惹かれたのかもしれないわ』と…。
1年後。モーガンは男の子を出産した。
「パパが遺したものが、また一つ増えたわね」
小さな息子を抱きしめたモーガンは、トニーに向かって笑みを浮かべた。
自分に似ている娘なのに、その笑顔はペッパーに…モーガンを産んだ時のペッパーにそっくりで、20数年前を思い出したトニーは嬉しそうに何度か頷いた。
「ねぇ、パパ。パパの名前、もらっていい?」
父親の名前を貰うのは、モーガンとポールのたっての願いでもあった。
「あぁ…光栄だな…」
自分に似ている孫に視線を送ったトニーに、まだ見えぬであろう視線を向けた赤ん坊は、手を伸ばした。
アンソニー・エドワード・スターク・Jr.と名付けられたモーガンの息子は、トニーに生き写しだった。トニーはアーマーを装着し孫を抱くことができた。そして孫のアンソニーにもトニーの姿は見えているようで、彼は祖父のことが大好きだった。
アンソニーが4歳になった年、モーガンは女の子を出産した。アビー・マリア・スタークと名付けられた娘もまた、トニーの姿が見えたため、自分だけ見えないポールは拗ねてしまったとか…。
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