週末のパーティは、モーガンの希望で、アイアンマンとヒーローがテーマのパーティとなった。
モーガンは先日誕生日プレゼントで両親からもらった、赤と金色のアイアンマンカラーのドレスを着ており、その可愛らしい姿に、トニーは写真を撮りまくった。
初めて友達を呼ぶパーティに、モーガンは大興奮だった。
次々とやってくるモーガンの友達とその両親を、トニーもペッパーも笑顔で出迎えた。トニーはアイアンマンのアーマーを着ていたので、子供たちは大喜び。ペッパーもレスキューアーマーを着て、娘の友達をもてなした。
ハッピーとローディも手伝いに来てくれた。勿論、ローディはウォーマシンのアーマーで。やって来た子供たちに、アイアンマン のお面を渡したり、おもちゃのリパルサーを配ったりしてくれた。アイアンマンだけではなく、トニーたちは他のヒーローのおもちゃも沢山用意していたので、子供たちは思い思いのヒーローに扮し大はしゃぎだった。
馴染みのシェフたちは、子供が喜びそうな料理を出し、皆美味い料理に舌鼓をうった。
「モーガンちゃんのパパとママ、やさしいしかっこいいね!」
誰もがそう口を揃えて言うのだから、モーガンは嬉しくて仕方なかった。
と、誰かが叫んだ。
「あ!スパイダーマンだ!」
見ると、ピーター…いや、スパイダーマンがやって来たではないか。
えっ…とモーガンが思っていると、ハルクもやって来た。アントマンとワスプも、そしてホークアイも家族を連れてやって来た。何とストレンジまでもがやって来た。その場で簡単な魔法を披露したため、ストレンジは早速大勢の子供たちに捕まってしまったが…。
憧れのヒーローたちが大集結し、子供たちは更に歓声を上げた。
「モーガン」
気づくと、目の前にスパイダーマンがいた。
「ピー…」
名前を言いかけたモーガンは、慌てて口を塞いだ。
ピーター・パーカーとは父親が入院中に初めて顔を合わせたが、小さい頃から父親はスパイダーマンの話をよくしてくれていたため、モーガンにとっては、アイアンマンに次いで身近な存在だった。そのため初めて顔を合わせた時も、どこかしら親近感を感じ、モーガンはすぐにピーターに懐いた。ピーターの方も、モーガンを妹のように可愛がり、2人は大の親友になっていたのだ。
まるで母親のようにこほんと咳払いをしたモーガンは、ピーターに向かって腕を伸ばした。
「スパイダーマン!」
モーガンを軽々抱き上げたピーターは、マスク越しだが頬に軽く口づけした。
「誕生日おめでとう、可愛いいお姫様」
クスクス笑みを浮かべたモーガンだが、どうしてこんなにヒーローが集結しているのかと、首を傾げた。
「あたし、スパイダーマンにパーティにきてねっていってなかったのに…」
友達には、父親と母親に手伝ってもらい、招待状を作った。だが、ヒーローたちには招待状は出していないから、どうして日にちと場所が分かったのかと、モーガンは思ったのだ。
「スタークさんが…君のパパが、招待状をくれたんだ。アイアンマンに招待されたら、来ないわけにはいかないだろ?君のパパは…アイアンマンは、ヒーローなんだから」
実は、これもトニーが用意したサプライズ。仲間に声を掛け、娘の誕生日にヒーローとして参加して欲しいと頼んだのだ。
と、突然雷鳴が響きわたった。
あまりの音にピーターにしがみついたモーガンだが、また一人ヒーローが現れたのを見ると、顔を輝かせた。
「おい!ソー!芝生は大事にしろ!」
焦げた芝生の上に降り立った男の元へ、トニーが飛んでやって来た。紋様型に焦げた芝生に目をやったトニーは頭を抱えた。
「お前は呼んでない。連絡をとる術がなかった。だが、何故ここにいるんだ」
「スタークが美味いものを山ほど食べさせてくれる会を開くと聞いて、やって来た」
そういう会ではないのだが…と、再び頭を抱えたトニーだが、雷神ソーの登場に、子供たちが駆け寄ってくるのを見ると、トニーはソーのお腹を叩いた。
「ダイエットに成功したんだな」
「宇宙の飯は不味くて」
大きく頷いたソーだが、すっかり元気になっているトニーの姿に、僅かに目を潤ませた。
「スターク、元気そうで何よりだ」
そう言うと、ソーはトニーの肩を抱き寄せた。
ヒーローたちの乗った大きなバースディケーキのロウソクを吹き消しながら、モーガンは祈った。
パパとママとあたしとおとうとと……ずっといっしょにいられますように…と。
そしてパーティは大盛況のうちに終わり、招待客は誰もが笑顔で帰っていった。
バートン家の子供たちともすっかり仲良くなったモーガンは、今度は互いの家で遊ぼうと約束し合い、たらふくご馳走を食べたソーも、再び芝生を焦がしながら戻って行った。